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菅首相が「休んでいる看護師がいるから五輪に500人派遣できる」妄言の直前、ワクチン業務の看護師“募集難航”を聞かされていた

インド由来の変異株発見に必要なゲノム解析がほとんど進んでいないという惨状

 問題はまだある。インドで見つかった変異株感染者はすでに東京都内でも見つかっているが、この変異株は感染力が強いだけではなく、「日本人に多い白血球の型による免疫が効きにくくなる」とも指摘されている。しかし、このインド由来の変異株は現在流行中のイギリス由来の変異株を検出する検査では確認できないため、ひとつひとつをゲノム解析する必要があるのだが、その肝心のゲノム解析はほとんど進んでいないのが現状だ。

 よくこれで「水際対策、厳しくおこなっています」と言えたものだが、「支持率ファースト」しか頭にない菅首相は五輪開催強行のために平然とミエミエの嘘をついてきたのだ。

 いや、菅首相のこうした暴走は、東京五輪と同様に支持率上昇の大きなカギを握っているワクチン問題でも同様に起こっている。

 菅首相はここにきて「7月末に高齢者のワクチン接種を完了させる」と宣言し、自衛隊が主体となった「大規模接種センター」を設置することを決定。東京会場となる大手町の合同庁舎では1日1万人規模の接種を目指すとぶち上げたが、大混乱することは火を見るより明らか。だいたい、1日1万人もの高齢者をひとつの会場に集めること自体、クラスター発生のリスクを高めるものであり、政府の分科会メンバーである釜萢敏・日本医師会常任理事も「(1日1万人接種は)24時間体制でやるとしてもかなり難しいと思う」と語っている。

 それどころか、「大規模接種センター」で実務を担うのは、全国の自衛隊所属の医官と看護官それぞれ約1000人だというが、4月28日におこなわれた野党合同ヒアリングでは、防衛省統合幕僚監部側は人員をどれだけ集められるのか「現在、確認中」で、「報道では(接種が1日)1万と出たが、じつは我々、どれぐらいの医官・看護官が確保できるかによって決まってくると考えている」と回答。つまり、「1日1万人を接種」という数字には何の裏付けもなかったのである。

 ワクチン確保をめぐっても、訪米までしておいてファイザーに門前払いされて電話会談しかできなかっただけではなく、「9月までに供給されるめどが立った」という発言も実際には合意書も交わしていない口約束だったことが明らかになったが、ようするに菅首相は、裏付けもない話をとにかくぶち上げるだけぶち上げて、あとは強権的に現場に指示するという実効性の担保もへったくれもない無責任な丸投げを繰り返しているだけなのだ。

 こんな男がコロナ対応の陣頭指揮に立ち、東京五輪開催に突っ走る。その暴走を止めるためにも、「東京五輪より命を守れ」と叫びつづけるしかない。

最終更新:2021.05.01 06:06

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