小説、マンガ、ビジネス、週刊誌…本と雑誌のニュース/リテラ

menu

菅政権がNHK経営委員会人事で「わきまえない女」排除! 番組介入の議事録公開を求めた女性委員を再任せず“女減らし”を強行

NHK経営委員会はジェンダーギャップ解消どころか委員が12人中5人から4人に

 22日の衆院総務委員会では、「なぜ佐藤氏は選ばれなかったのか」と追及した日本共産党・本村伸子衆院議員の質問に対し、総務省の吉田博史・情報流通行政局長は「個別の人事にかかわるためお答えは控える」と答弁したが、これはどう考えても、佐藤氏が森下委員長に盾突き、場の空気も読まない、「わきまえない女」だったため排除した、としか考えられない。

 しかも、だ。ジェンダーギャップの解消が喫緊の課題となっているにもかかわらず、前回のNHK経営委員会は12人中5人が女性だったのが、今回の人事によって女性委員は12人中4人に減少。むしろ女性割合が低くなってしまったのだ。ちなみに、その少ない女性委員のひとりに安倍晋三・前首相によって百田尚樹氏とともに経営委員にねじ込まれた長谷川三千子・埼玉大学名誉教授がいるが、長谷川氏は「性別役割分担は哺乳動物の一員である人間にとってきわめて自然なもの」「女性が家で子を産み育て男性が妻と子を養うのが合理的」「男女雇用機会均等法は誤りであり、方向転換しなければ日本は確実に滅ぶ」などと主張してきた人物であり、とてもじゃないが公共放送の経営・運営にかかわる重要事項の審議をおこなう委員には不適格と言わざるを得ない。

 当然、この佐藤氏のパージは、森下委員長の意向、そして森下氏を擁護する菅義偉首相の了解のもとでおこなわれたものだ。実際、前述したように、森下氏が番組干渉発言をおこなったのは、旧知の仲である元総務事務次官の鈴木康雄・日本郵政上級副社長からの不当抗議を受け、それに丸乗りしてのものだったが、鈴木副社長は総務省時代から菅首相と深い関係にある。森下氏のNHK経営委員再任も当然ながら菅首相の意向あってのものであり、議事録問題についても森下氏と同様、菅首相も有耶無耶にしようとしているのだ。

 森下氏の委員長再任により今後もさらに菅官邸のNHKに対する政治的介入は酷くなっていくのは間違いないが、忖度せず、はっきりとものを言った「わきまえない」女性委員が堂々と排除されてしまったこの人事も、菅政権を象徴する相当に深刻な問題だろう。

最終更新:2021.03.26 09:56

関連記事

編集部おすすめ

話題の記事

人気記事ランキング

カテゴリ別に読む読みで探す

話題のキーワード

リテラをフォローする

フォローすると、タイムラインで
リテラの最新記事が確認できます。

プッシュ通知を受け取る 通知を有効にする 通知を停止する