予算委員会に出席した中島社長(参議院インターネット審議中継より)
総務省の接待問題で、本日、東北新社の中島信也社長とNTTの澤田純社長が参院予算委員会に参考人招致された。
これまで再三、野党からは高級接待をおこなってきた菅義偉首相の長男・菅正剛氏や、東北新社の子会社「東北新社メディアサービス」の木田由紀夫・前社長の国会招致が要求されてきたが、与党側がここにきて招致を認めたのは、約2週間前に社長に就任したばかりの中島社長のみ。
しかも、中島氏といえば、1993年にカンヌ広告映画祭でグランプリを受賞した日清カップヌードルの「hungry?」や、サントリーの「燃焼系アミノ式」「伊右衛門」、最近だとオダギリジョーが出演しているAirPAYのCM演出を手掛けた有名CMディレクター。2019年に東北新社副社長に就任しているが、昨年も「副社長の肩書なんて、もはやネタ。これからもずーっと映像の現場で働きたい!」と題した講演をおこなっているように、経営陣というよりもCM制作畑の人物であり、子会社の衛星放送事業や総務省接待の実態について当時からどこまで把握していたかは不明。きょうの国会でも、「私はこれまで衛星放送に関わる業務をおこなっていなかったため、現在も鋭意勉強中」と答弁した。
さらに、接待の目的について問われた際には、中島社長からは「接待の目的は顔つなぎ」「顔つなぎの目的は顔つなぎ」という珍回答が飛び出す始末。また、菅首相の長男である正剛氏について「総務省の接待要員という役割を担っていたのではないか」と追及されると、中島社長はこう述べた。
「菅正剛くんはたいへん優秀な若者」
「総務省との接待の要員のためにいたのではございませんし、会食のために呼ばれているのではないと考えています」
四十がらみの人物を「優秀な若者」って……(苦笑)。中島氏は過去の講演会で「人を喜ばせるために、死ぬまで人の顔色を伺い続ける男」を自称していたが、きょうはすぐ傍に鎮座する菅首相を喜ばせようとしたのだろうか。それはともかく、実態をつぶさに把握していたとも思えない中島社長を国会に呼んでも、所詮「ガキの使い」にもならない。だからこそ与党側も中島社長の招致に応じたのだろう。
しかし、そんな中島社長の口から、東北新社への特別優遇について、新たな重大証言も飛び出した。放送法違反の外資比率でありながら東北新社がBS4K放送事業者として認定された問題で、新事実が判明したのだ。