選択的夫婦別姓制度を潰した丸川珠代 杉田水脈ら極右議員とともに地方議会にも圧力
今回の大臣就任にともなって18日夜におこなわれた会見では、記者から選択夫婦別姓制度の導入に対する自身のスタンスを問われた際、丸川氏は「いまちょっと私個人の考えをここで述べさせていただくのは控えさせていただきたい」などと回答を拒否したが、丸川氏はこれまでも現在も反対の立場にある。
選択的夫婦別姓制度をめぐっては、昨年末、前任者の橋本氏が導入実現に向けて検討を進める方針を男女共同参画基本計画案に盛り込みたいという考えを表明。一気に制度化に向けて動き出すかと期待が高まったが、計画案は自民党の部会で修正に次ぐ修正に追い込まれ、「選択的夫婦別姓」という文言までをも削除して「夫婦の氏に関する具体的な制度のあり方」という本質を覆い隠す表現に変更されるという事態に。前進どころか大幅に後退してしまった。
そして、こうした選択的夫婦別姓制度の導入を阻止しようとする「反対派」として、丸川氏も積極的に活動しているのだ。
その証拠が、自民党所属の埼玉県議会議員・田村琢実氏が2月3日に自身のブログで公開した〈自由民主党所属国会議員有志の連名〉で送られてきたという文書。そこには〈「選択的夫婦別氏制度」の創設には反対しております〉〈家族単位の社会制度の崩壊を招く可能性がある〉と書かれており、地方議会における「選択的夫婦別氏制度の実現を求める意見書」の採択の動きに対し、〈貴議会の自由民主党所属議員の先生方にも私達の問題意識をお伝えいただき、慎重なご検討を〉と求めている。
計画案を修正させただけではなく、地方議会にも手を伸ばして圧力をかけているとは絶句するほかないが、問題はこの文書の最後。送り人として「国会議員有志」の名が並んでいるのだが、そこには計画案を大幅修正に追い込んだ山谷えり子・元拉致問題担当相や高市早苗・前総務相、衛藤晟一・前少子化対策担当相、片山さつき・元地方創生担当相、有村治子・元女性活躍担当相、杉田水脈衆院議員、長尾敬衆院議員、赤池誠章参院議員といったネトウヨ極右議員の面々とともに、丸川氏の名がしっかりと明記されているのである。
言っておくが、夫婦同姓を法律で義務付けている国は世界で日本以外にはなく、国連の女子差別撤廃委員会が2003年から日本に繰り返し制度への懸念を表明しているように、夫婦同姓の強制はこの国のジェンダー平等の遅れを象徴する大きな問題のひとつだ。なのに、性差別是正と「女性の活躍推進」の先頭に立つべき大臣が、それに猛反対している──。しかも、これはジェンダー平等が謳われているオリンピック憲章にも反するもので、あらゆる意味で大臣の資格がないと言わざるを得ないだろう。