総理大臣に学歴は必要ないが、教養は絶対に必要だ!無教養な為政者が生む政治の恐怖
本サイトでは総裁選中からいち早く菅首相のトークのポンコツぶりについて指摘していたが(https://lite-ra.com/2020/09/post-5621.html)、それは単に口下手だとか滑舌が悪いだとかそういうことではなく(政治家なのに口下手というのもそれはそれで問題だが)、問題はその内容のなさ、知性のなさだった。対立候補だった石破茂氏や岸田文雄氏と比較しても、その知性のなさは際立っていて、政策などに対する理解もボキャブラリーも論理性も圧倒的に劣っていた。むしろ滑舌の悪さで、その知性のなさがごまかされているくらいだ。
菅首相については、日本学術会議の任命拒否問題をめぐって、静岡県の川勝平太知事が「菅首相の教養レベルが図らずも露見した。学問をされた人ではない。単位を取るために大学を出た」と発言して批判を浴び、撤回した。しかし、この菅首相のスピーチをきちんと聞けば、川勝知事の指摘が決して間違いでないことがよくわかる。
菅首相は、学歴とか地頭とかの問題ではなく、教養が圧倒的に欠けているのだ。
総理大臣に学歴は必ずしも必要ではないが、教養は絶対に必要だ。もちろん教育格差が広がる現在の日本社会では、家庭環境などから幼少の頃に教養を身につけられる環境になかった人も少なくなく、そうした人が教養のなさだけで不当な扱いを受けることはよくない。しかし、少なくとも政治家になり一国の総理大臣になるような人間はその過程で自ら教養を身につける努力をするべきだ。
外交だけの問題ではない。総理大臣は、いま現在起きている問題に場当たり的に対応するのでなく、人類の歴史や文化を俯瞰し、その背景や本当の問題を見出し、歴史の検証に耐えうる施策をとらなければならない。それには、教養が必要だ。
菅首相が、自分たちの政権に楯突いたというだけでその学者の研究や実績なども知らず学術会議から排除したり、とっくに破綻が明らかになっている新自由主義政策をいまさら掲げたり、「携帯電話料金の値下げ」「不妊治療の無料化」など場当たり的な政策だけをアピールするのも、教養のなさとも無関係ではない。
しかし、今回の初外遊を報じるニュースでも、真理子夫人のふるまいを盛んに取り上げたり、せいぜい外遊先がなぜベトナムとインドネシアだったのかを解説するくらいで、肝心の菅首相の言動については、「無難な初外遊」というもの。
外遊も終え、ようやく来週から国会が始まる。所信表明や国会答弁でも露呈するであろう菅首相ポンコツぶり、教養のなさを、メディアはきちんと批判・検証してもらいたい。
(編集部)
最終更新:2020.10.21 04:01