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ぼうごなつこ『100日で崩壊する政権』を読めば、安倍首相が病気で辞任ししたのでなく国民が声をあげ追い詰めたことがよくわかる

検察庁法改正案を描いた回は1.1万リツイート、反対のうねりに貢献

ぼうごなつこ『100日で崩壊する政権』を読めば、安倍首相が病気で辞任ししたのでなく国民が声をあげ追い詰めたことがよくわかるの画像2

 しかし、毎日時事マンガを投稿し続けることは段違いにハードルが高い。ぼうご氏は、それまでも週に1、2本のマンガをツイッターに投稿していたが、フィクションと違ってリアルタイムに起きていることを即時的に描くスタイルのぼうご氏のツイッター時事マンガは、時間のあるときに描きためておくのも難しい。

 だが、ぼうご氏は、この後も毎日、安倍政権を風刺したマンガを投稿し続ける。全世帯に2枚ずつアベノマスク配布、対象を絞りに絞ってほとんど誰ももらえない30万円給付案、病床不足が叫ばれるなかの病床削減、給付金の性風俗事業者除外、マスクや防護具が不足し逼迫する医療機関、発熱後4日待機ルールによる重症化続出など、検査・医療体制の整備や国民の生活支援へのおざなりな姿勢と愚策の数々……。

 さらには、安倍首相が星野源の「うちで踊ろう」動画に便乗コラボ、昭恵夫人がマスクなし大分旅行、外出自粛要請が出されるなか菅義偉官房長官(当時)が選挙対策のためにマスクもつけず沖縄へ、緊急事態宣言下に稲田朋美・元防衛相らが靖国参拝、佐々木紀・国交政務官が「感染拡大を国のせいにするな」ツイート……と、安倍政権幹部たちのやる気も責任感も感じられないふざけた言動。

『100日後に死ぬワニ』では予告されている死をまったく感じさせない日常が描かれていたが、ぼうご氏の『100日で崩壊する政権』では、これで崩壊しないほうがおかしい安倍政権のボロボロなコロナ対応が描かれ続けた。

 そして、連載が始まって中盤にさしかかった〈43日目〉5月9日夕方17時すぎに投稿されたマンガは、1.1万リツイートとひときわ多く拡散されることになる。

 それは、安倍首相に似たキャラクターが黒川弘務・東京高検検事長に似たキャラクターの肩に手をやり「検事長が黒川ちゃんなら安心だよねー」と声をかけている「検察庁法改正案」を批判したマンガだった。

 周知のように、この検察庁法改正案への批判、反対の動きは小泉今日子やきゃりーぱみゅぱみゅ、浅野忠信、井浦新、大久保佳代子といった多くの芸能人たちも参加する大きなうねりとなったが、そのなかで、ぼうご氏の4コママンガも注目を集めたのだ。

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