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関東大震災朝鮮人被害者の追悼式典にオリバー・ストーン監督が反ヘイトのメッセージ! 一方、小池百合子知事はヘイト団体を後押し

関東大震災朝鮮人被害者の追悼式典にオリバー・ストーン監督が反ヘイトのメッセージ! 一方、小池百合子知事はヘイト団体を後押しの画像1
小池百合子オフィシャルサイトより


 1923年9月1日の関東大震災から97年となった日。震災そのもの以上に忘れてはならないのが、大地震の混乱のなか、「朝鮮人が暴動を起こした」「井戸に毒を入れた」等のデマが広がり、日本人らが多くの朝鮮人を惨殺したことだろう。いわゆる“朝鮮人虐殺”である。

 東京都墨田区の都立横網町公園では虐殺された朝鮮人被害者の追悼式典がおこなわれたが、小池百合子・東京都知事は2017年、2018年、2019年に続き、式典への追悼文を送らなかった。小池都知事の暴挙については後述したいが、式典では意外な人物からの追悼メッセージが紹介された。

 ベトナム戦争を描いた映画『プラトーン』などで知られるオリバー・ストーン監督が、アメリカン大学のピーター・カズニック教授と共同で追悼メッセージを寄せたのだ。全文を紹介したい。

「アメリカ人は、日本の40年にわたる朝鮮半島の残酷な植民地支配について知っているかもしれませんが、1923年9月1日の関東大震災の後、流言飛語に扇動された軍、警察、民間の自警団によって、何千人もの朝鮮人、何百人もの中国人、そして社会主義者が虐殺されたことを知っている人はほとんどいないでしょう。
 私たちは、日本人がこの恐ろしい不正義を記憶し、反省し、大虐殺の被害者を追悼する式典を行っていることを聞き、勇気づけられる思いがします。
 私たちは、東京都知事を含む、日本の右翼的歴史否定主義者たちが、この歴史を歪曲しようとする動きを強めていることを聞いて、驚きはしませんが、失望しています。
 過去に正直に向き合うことは、どの国にとっても容易なことではないでしょう。それは私たちの国が今直面している課題でもあります。とりわけ人種的抑圧、広島・長崎への原爆投下を含む第二次世界大戦の負の遺産、帝国の歴史といった歴史問題があります。私たちは、みなさんのような、真実の歴史観のために闘う人々との連帯を強固にし、このような憎悪に基づく犯罪を2度と起こさせないという決意のもと、みなさんとともに被害者を追悼したいと思います」(翻訳は、式典で読み上げられた乗松聡子氏によるもの)

 オリバー・ストーン監督が言うとおり、関東大震災における朝鮮人虐殺は、現在日本をはじめ世界中で問題となっているヘイトスピーチ、ヘイトクライムにも通じる重大な史実だ。ヘイトスピーチがいかなる悲劇を生むか、その警鐘のために、日本国内にとどまらず世界に向けてもその記憶を伝えるべきものだ。

 ところが、オリバー・ストーン監督も指摘するように、近年日本では、右派による歴史修正の動きのなかで、「朝鮮人虐殺はなかった」などというデマが跋扈している。

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