『報道ランナー』の取材に、現場の医師も「人工呼吸器を早めにつけてない」
14日、関西テレビのニュース番組『報道ランナー』で、吉村知事の会見動画を紹介したうえ、新実彰平アナウンサーが「複数の現場医師に取材した」として、「大阪だけ人工呼吸器を付けるのが早いということはないと思う」と声をそろえていたことを紹介。吉村知事の発言が「エビデンスがはっきりしない」と指摘したのだ。
さらに、コメンテーターとして出演していた宮下修行・関西医科大教授も人工呼吸器が治療方法ではなく、酸素量が下がった人の酸素を保つために付けるもので、「早めに装着しても本質的には治療に結び付かない」「死亡者を減らすことにも繋がらない」といった内容のコメントをした。
「この問題を取り上げたテレビのニュース番組はいまのところ『報道ランナー』だけですが、かなり丹念に取材していたようです。取材先も一般的な医師だけではなく、コロナ治療の現場ではたらいている医師にあたって、『早めに人工呼吸器をつけろという指示は出てないし、そういう措置もしていない』という証言を得たと聞いています」(在阪記者)
ようするに、吉村知事が「重症者の急増」の言い訳として持ち出した「大阪だけ人工呼吸器を早めに装着」発言は、常識はずれ、非科学的な方針というだけでなく、そもそもまるっきり嘘だった可能性が非常に高くなっているのだ。
感染拡大、重症者急増を防げないばかりか、また口から出まかせ。なぜ、こんな人物が大阪府民から圧倒的支持を得て、メディアが持ち上げ続けるのか、不思議でしようがないが、しかし、その空気も少し変化が訪れているらしい。前出の在阪記者がこう語る。
「たしかに、例のうがい薬発言以降、きちんと批判しようという動きも少しだけ出てきていますね。今回の『大阪だけ人工呼吸器を早めに装着』発言も『報道ランナー』が報道したあと、ツイッターなどでも話題になったことで、新聞社や他のテレビ局のなかにも取材に動いている社があるようです。15〜17日まで吉村知事は夏休みですが、18日にはこの発言についての質問が出る可能性もある」
ポビドンヨードうがい薬発言のときは、「コロナに効く」「コロナに打ち勝つ」といいながら、批判を浴びると、翌日の会見で「予防効果があるとは、ひと言も言っていない」などと言い張ったうえ、「僕が感じたことをしゃべり、『それは間違いだ』と言われたら、僕自身、言いたいことが言えなくなる」と、自分が知事だということを忘れたようなセリフを口にし、ネットで“ポイズン吉村”とつっこまれた吉村知事。18日はどんな開き直りと詐術的言い訳をするつもりなのだろうか。
(編集部)
最終更新:2020.08.20 12:24