『ひるおび!』で連日安倍政権のコロナ対応を擁護する田崎史郎氏
国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が19日、新型コロナウイルス感染拡大を受け、東京五輪開催について「違うシナリオ」を検討していると発言、延期の可能性を示唆した。
当たり前だろう。世界的に新型コロナ感染が広がり、収束のめどが立たないこの状況で、五輪は中止か延期する以外にないのは誰の目にも明らか。むしろ、日本政府や組織委員会がこれまで予定どおりの開催を主張し続けてきたことのほうが異常なのだ。
日本オリンピック委員会(JOC)理事でソウル五輪女子柔道銅メダリストの山口香氏が朝日新聞で「コロナウイルスとの戦いは戦争に例えられているが、日本は負けると分かっていても反対できない空気がある。JOCもアスリートも『延期の方が良いのでは』と言えない空気があるのではないか」と指摘していたが、そのとおりだろう。
だが、安倍首相と組織委はそれでもまだ悪あがきを続けている。安倍首相は19日の国会答弁で、G7の電話会談における「完全な形での開催」発言について「規模を縮小せず観客も一緒に感動を味わっていただきたいということだ」と説明したが、結局、延期については明言せず、「延期や中止のことは一切言及していない」と言うにとどめた。そして、聖火が採火されたギリシャが新型コロナの感染拡大を防ぐため聖火リレーを中止にしているのに、JOCは引き継ぎ式をギリシャ側にゴリ押し、日本国内での聖火リレーを強行した。
「本来なら、延期に向けた準備も整え、新型コロナ感染拡大を防ぐためにも、聖火リレーも中断するなど、1日でも早く延期を発表すべきなんだ。実際、組織委でも電通顧問の高橋治之理事などは早くから『2年延期』を主張していた。ところが、森喜朗会長と官邸が延期になかなか首を縦に振らないんだ。森会長は年齢的な問題でとにかく早くやりたがっているし、安倍首相も来年9月に総裁任期が切れるから、五輪が延期になると、自分の手で五輪をやれなくなる可能性がある。安倍首相は五輪への執着がすごく強いため、その意向を受けて、官邸の側近たちが組織委やJOCに『なんとか安倍首相の下で五輪をやれる方法を探れ』と働きかけているんだ」(全国紙政治部デスク)
それだけではない。予定通りの開催が無理で延期になった場合でも、安倍政権は安倍首相の任期中に五輪を開催するため、トンデモなスケジュールを考えているようだ。
というのも、安倍首相の代弁者・田崎スシローこと田崎史郎氏が、17日放送の『ひるおび!』(TBS)で、複数の政府関係者に取材したとして、こんなことを言い出したからだ。
「2年の延期は日本政府の読みでは、“ない”」
「来年の夏までのどこかに延期されるのではないか。それを模索していくということ」
「最長で来年ぐらいな感じで、日本側としてはもうちょっと早めに開きたいっていう感じです。年内でも可能ならば」
さらに、司会の恵俊彰から「やはり来年7月ですか?」と問われた田崎は、まるで政権幹部が乗り移ったような口調で、こう答えていた。
「本来なら、今年できればってことですよ。1964年のオリンピックは、たしか10月10日が開会式でしたよね、それよりちょっとずれるとしても、(11月の)アメリカの大統領選終わったあたりで、できてもいいですし」