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安倍首相のコロナ会見はたった35分、やる気ゼロ! 助成金の具体説明なし、対応策は10日後に引き延ばし、自治体も「遅い」と悲鳴

安倍首相のコロナ会見はたった35分、やる気ゼロ! 助成金の具体説明なし、対応策は10日後に引き延ばし、自治体も「遅い」と悲鳴の画像1
首相官邸YouTubeより


 この期に及んでも、この男のやる気、危機感、緊張感はゼロらしい。感染が拡大しつづける新型コロナ対策について、安倍首相がようやく正式な記者会見を開催したが、なんと、その会見時間はわずか35分間。しかも質疑応答はたったの15分で、「まだ質問あります!」と声をあげる記者がいるのに「予定した時間をだいぶ過ぎている」という理由で会見を打ち切ってしまったからだ。

 国内で感染者が確認されてからじつに約2カ月半、国内外でそのリーダーシップが疑問視されるなか、遅れに遅れてやっと国民に直接、説明する時間だったというのに、質問にすべて答えようとしない──。しかも、質疑応答で指名されたメディアは、幹事社(朝日新聞、テレビ朝日)とNHK、読売新聞、AP通信の5社だったが、その質問に答える際、安倍首相は視線を下に落とし、手元の紙を読み上げていた。つまり、あらかじめ質問を当てるメディアを選別して質問内容を聞き出し、問答集をつくっていたのだろう。とんだ茶番劇ではないか。

 だが、もっと酷かったのは、会見で語られたその中身だ。まず、安倍首相はこう語った。

「『これから1〜2週間が、急速な拡大に進むか、収束できるかの瀬戸際となる』。こうした専門家のみなさんの意見を踏まえれば、いまからの2週間程度、国内の感染拡大を防止するため、あらゆる手を尽くすべきである。そのように判断いたしました」

 おい、ちょっと待て。専門家会議が「これから1〜2週間が瀬戸際」と見解を示したのは24日月曜のことで、もはやそこから5日も経ってしまった。もう約1週間も浪費しておいて「いまからの2週間程度あらゆる手を尽くす」って、それ、瀬戸際を過ぎてしまっているではないか。いくらなんでも遅すぎるだろう。

 しかし、さらに絶句したのは、休校措置にともなう保護者支援の問題だ。

 昨日28日、安倍首相は衆院予算員会で「経済界にも有給休暇を取りやすいように対応するようお願いする」と述べ、「休業補償を国が負担するのではなく、労働者に有休を消化させる気か」とまたも批判を浴びた。だいたい、すべての保護者が有休を取得できるとはかぎらず、とりわけ貧困率が5割を超えるひとり親世帯は死活問題になるとその危険性が叫ばれている。そうしたなか、さすがにきょうの会見では、国として具体的かつ早急な補償策を打ち出すだろう。そう見られていた。

 だが、安倍首相が述べたのは、たったこれだけだった。

「保護者のみなさんの休職にともなう所得の減少にも、新しい助成金制度を創設することで、正規・非正規を問わずしっかりと手当てしてまいります」

 肝心の「新しい助成金制度」とやらの具体的な内容・説明はまったくなし。保護者がいまもっとも不安に感じている問題だというのに、いつからはじめるのか、どれくらいの補償が受けられるのか、国はどの程度の予算を注ぐのかなどには、一切、言及しなかったのである。

 もう後手後手にも程があるだろう。山梨県の長崎幸太郎知事は、昨日、新型コロナに感染したり濃厚接触者として仕事を休んだ県民に対して「1日4000円を助成する」と発表した。自治体がすでに具体的な休業補償を打ち出しているというのに、国がこの体たらくとは……。実際、安倍首相の会見に業を煮やした千葉市の熊谷俊人市長は、会見中にこんなツイートを投稿した。

〈安倍総理、演説もいいのですが、収入保障などについて詳細を早く言って頂きたい。
千葉市は今回の政府方針によって失業や収入が減って生活困窮者に陥る方に、国の収入保障が実際に届くまでの繋ぎ融資を考えていますが、国の保障基準の考え方が示されないと最終案まで詰められません。〉

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