権力乱用のヤジ将軍・安倍が野党議員に「人間としてどうなのか」「権力乱用」と逆ギレ
呆れたのはこの後だ。黒岩議員から「後ろは関係ないでしょ!」と注意を受けると、安倍首相は興奮して、このように黒岩議員を罵倒しはじめたのだ。
「秘書官はさまざまな機会にですね、私に答弁のアドバイスすることありますよ! それに対して怒鳴るというのはですね、異常な対応ですよ。それやっぱりおかしいですよ! それくらいは当たり前じゃないですか!」
「あなたに対して正確に誠実に答弁をしようというなかの一環のことなんですよ? それを、言葉を、言葉を荒らげて、その秘書官に対して怒鳴るというのはですね、私は、私は人間としてどうなのかなと、こう思うわけでございます。国会議員としてですね、まさにこれは権力の行使に近いんだろうと、こう思うわけであります」
「権力の行使」って、普段さんざんそれを振りかざしているお前が言うか(呆)。だいたい、政策にかんするデータを受け取るとかならまだしも、質問されているのは「前夜祭」の参加費の価格設定についてだ。秘書官の入れ知恵など抜きに、安倍首相が自らの言葉でしっかり国民に説明すべき場面だろう。しかも、「人間としてどうかと思う」って、ふだん下品なヤジを飛ばしているお前のほうはどうなのか。
しかも、安倍首相の逆ギレはこれでおさまらなかった。またも「久兵衛の寿司ガー」とがなり立て、さらにはこんなことまで言いはじめたのだ。
「買収というですね、いま非常に強い言葉を使われました。それ、まったくそんなことはないわけでありまして、極めて失礼な私は発言だと思いますよ? まったく事実と当たりませんし、参加した人にも失礼ですよ! それだったらもっと証拠をあげていただきたい。まったくそれはあり得ない!」
明細書をさくっと出せばすべて済む話なのに、それを拒否しつづけている当人が「証拠をあげろ」って……。そもそも「前夜祭」が有権者買収にあたるのではないかという指摘はさまざまな有識者がおこなってきたことであり、その疑いを晴らすには明細書を出せばいいだけなのだ。「買収と言った! 失礼だ!」と憤慨する前に明細書を出せよ、という話だろう。
だが、安倍首相は黒岩議員から「ホテルは(前夜祭の)明細書を作成している。明細書の宛名は誰か」と質問されても、いつものように「明細書につきましては、私の事務所に確認したところ、ホテル側から夕食会の明細書は受け取っておらず、内容の確認もしていない」と答弁。それは当然だろう。明細書の宛名が約800人ひとりひとりであるはずもなく、そこには安倍晋三後援会か安倍事務所、あるいはスタッフの名前が書かれているはずだ。そうなると、安倍首相の「ホテルとの契約主体は参加者個人」という主張は崩れてしまう。