違法認め、再調査の姿勢を見せた菅官房長官が一転した背景に安倍首相周辺からの指示
「桜を見る会」を私物化してきた安倍政権が違法行為まではたらいていたことが事実として判明したのに、居直るばかりの菅官房長官……。その上、菅官房長官の説明・対応には、あきらかに不自然さがある。
というのも、招待者名簿管理の違法性を認めた際は「事務的な記載漏れ」だと言っていたのに、連休を挟むと唐突に民主党政権時のことを持ち出し「漫然と前政権を踏襲した」と説明を変更。また、14日午前の会見では、招待者名簿について「調査をするのか」という質問に「対応している」と発言し、再調査をおこなう姿勢を見せたと報じられた。ところが一転、午後の会見では「再調査は考えていない」と否定したのだ。
じつは14日午前の会見で再調査を匂わせた発言のあとも、〈その後の取材でも政権幹部が再調査に肯定的な見解を示していた〉(朝日新聞デジタル14日付)というが、それが数時間でひっくり返された。民主党政権に責任転嫁する説明に一変したことといい、安倍首相周辺から指示があったのではないか。
実際、この招待者名簿の違法管理問題は、来週からの通常国会で安倍首相が確実に矢面に立たされることになる。安倍首相は昨年12月2日の参院本会議で「内閣府はあらかじめ定められた手続きにのっとって招待者名簿を廃棄している」と、事実に反した虚偽の答弁をおこなっていたからだ。
再びの公文書改ざんに、違法な管理を隠した虚偽答弁問題……。こうした重大な事実が次々に判明しているというのに、こうした問題をほとんどのワイドショーがスルーしている。だが、このままフェードアウトさせるわけにはいかない。元副大臣のカジノ汚職や前大臣の公選法違反疑惑も含め、通常国会は安倍政権の膿を徹底的に暴き出す場とし、メディアも無視できない状況をつくり出す必要がある。
(編集部)
最終更新:2020.01.16 07:26