菅官房長官が名簿不記載で「民主党時代の2011年と2012年のやり方引き継いだ」と言い訳…両年とも「桜を見る会」は中止
ともかく、都合の悪いことはなんでも隠蔽・改ざんするという安倍政権の実態がまたしてもはっきりしたわけだが、自殺者まで出した森友改ざん問題の反省はおろか、性懲りもなく再び公文書を改ざんしたというのに、菅官房長官は14日午前の会見で「極めて不適切な対応」と事実を認めながらも「改ざん」ではなく「消した」と表現。15日午前の会見では、記者から「改ざんにあたるかどうかの長官の認識は」と質問されても「具体的に承知していない」と逃げ、さらに同日午後の会見でも同様の質問を投げかけられたが、「これは、あの、何と言うかは別として」などとごまかし、結局「不適切な行為」「不適切な対応」と言うだけだった。
繰り返すが、記載されていた文言を隠すのではなく消すという行為は、れっきとした「改ざん」だ。そして、森友公文書改ざんと同じで、官僚が勝手に改ざんをするなんてことは有り得ず、上からの指示、つまりは安倍官邸から改ざんの指示があったのは確実だ。だからこそ、「何と言うかは別として」などと下手なごまかしに終始しているのである。
にもかかわらず、本日おこなわれた参院予算委員会の理事懇談会では、内閣府の大塚幸寛官房長が、名簿を改ざんしたのは人事課長ら幹部2人だったと報告。森友改ざん問題のときと同じで、またしても現場に責任をなすりつけようとしているのだ。
しかも呆れるのは、先週しぶしぶ違法であることを認めた招待者名簿の管理問題だ。菅官房長官は10日の会見で2013〜17年度の招待者名簿が行政文書ファイル管理簿にも廃棄簿にも記載せず、さらに廃棄前に義務づけられている首相の同意手続きもなかったことについて「公文書管理法の関連規定、内閣府の文書管理規則に違反する対応だった」と認めたが、連休明けの14日になると、こんなことを言い出したのだ。
「平成23年(2011年)と24年(2012年)に記載すべきことを記載していなかったわけです。民主党政権ですけど。ですから、それを引き継いでいたということだと思います」
民主党政権時の招待者名簿も管理簿や廃棄簿に記載されていなかったから、それを安倍政権も引き継いだ……って、そんなバカな話があるか。すでに指摘されているが、2011年は東日本大震災、2012年は北朝鮮のミサイル発射予告を理由に「桜を見る会」を中止にしている。野党合同ヒアリングでは内閣府の酒田元洋・官房総務課長も「招待者名簿というかたちで最終版というかたちにはなっていない」と述べていたが、最終的に完成しなかった招待者名簿の管理を持ち出して「民主党政権も記載してなかったからそれを引き継いだ」などと責任をなすりつけるとは、「民主党ガー」は安倍官邸のお家芸とはいえ、もはや呆れ返るほかない。
しかも、民主党政権時に「桜を見る会」が唯一開催された2010年の招待者名簿は、管理簿にも廃棄簿にも記載されている。引き継ぐというのであれば、「桜を見る会」がきちんと開催された2010年の管理を引き継ぐのが普通だ。ようするに、「桜を見る会」を開催しながら招待者名簿を適切に管理せず違法行為をおこなったのは、2013年の安倍政権時からのことなのだ。