総裁選選挙運動のため「桜を見る会」と自民党地方議員研修会の日程を調整か
しかも、問題は研修会のほうにもある。前述した読売新聞が伝えていたように、問題の研修会では〈党の顧問弁護士が森友問題への首相や昭恵夫人の関与を火消しするような発言をし〉たといい(前出・しんぶん赤旗)、さらには、あの小川榮太郎氏による陰謀論本『徹底検証「森友・加計事件」 朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪』(飛鳥新社)まで配られた。総裁選で地方の票の行方に神経をとがらせていた安倍陣営が、1票でも多く地方議員の票を掻き集めるべく、懸命に「モリカケは陰謀だ」と“洗脳”しようとしていたことがうかがえるだろう。
だが、問題なのは、「桜を見る会」と研修会の開催日をどうやって決めたのか、ということだ。しんぶん赤旗によると、この研修会を取り仕切ったのは総裁選で安倍陣営の事務局長を務めた、当時自民党幹事長代行だった萩生田光一文科相。萩生田氏は自身のブログで「桜を見る会」開催日の決め方について、〈毎年、総理官邸と幹事長室で開催日を調整する〉(2019年4月19日付)と綴っているのだ。
主催は総理大臣とはいえ、この公的行事を取り仕切っているのは内閣府だ。それなのに、官邸と自民党がその開催日を決定しているとは、一体どういうことなのか。これは安倍政権下での「桜を見る会」が安倍自民党によって私物化されてきたことを象徴する何よりもの証拠だと言えよう。ちなみに、自民党の研修会の開催日が発表されたのは、2018年の「桜を見る会」開催日発表の3日後にあたる1月29日。総裁選対策として研修会と「桜を見る会」をセットにしたことは、これで明々白々だろう。
参院選のために税金で有権者を買収し、さらには自分の総裁3選のために税金で地方議員を接待していた──。20日からはじまる通常国会での追及が必要だ。
(編集部)
最終更新:2020.01.11 03:13