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「朝生」が田原総一朗の「下村元文科相にベネッセが2千数百万円」発言を謝罪も…「下村」の名前を先に出したのは別の出演者だった

下村元文科相とベネッセの「接点」、政治資金パーティ参加、後援会名簿に社長の名前

 ようするに、この日の『朝生』では、ベネッセの2千数百万円献金を受けたという政治家の名前を田原氏が言い間違えた結果、逆にパネリストのほうが先に、献金を受けた政治家として、下村氏を名指ししていたのだ。ちなみに、口火を切ったのは前述したように女性の声だったが、この日出演していた女性のパネリストは片山さつき氏と三浦瑠麗氏だけだった。

 もちろん、他の出演者が先に名前を言ったからといって、発端は田原氏であり、田原氏が誤報の責任を免れるわけではない。しかしそのことよりも、注目しなければならないのは、政権に近い人たちが言い間違いにつられて「下村さん」と名前を口走り、つい最近まで閣僚を務めていた自民党の政治家や、元文科相までが人物名を訂正しただけで、「2千数百万円献金」については一切否定しなかったことだ。

 これは安倍政権周辺や文科省内部でも下村元文科相とベネッセが「特別な関係」にあると見られていたという証明だろう。

 実際、英語の民間試験導入問題を強引に進めてきた下村元文科相とベネッセの間には、ただならぬ接点がある。たとえば、「週刊文春」(11月14日号)によれば、下村氏の後援会「博友会」が2012年から14年の間に開いた政治資金パーティーに、ベネッセの2名の社員が複数回出席。2007年から14年までベネッセで社長を務めた福島保氏が後援会名簿に名前を連ねていたという。

 また、下村氏はベネッセの機関誌である「VIEW21」にも登場し、大学入試改革について、まさに英語民間試験導入を正当化するようなこんな主張を展開していた。

〈「公平」が保証できないからといって、従来通り学力試験1本とすることが、「真の学ぶ力」を育むために適切といえるのでしょうか〉

 一方、「週刊新潮」(11月14日号)も、両者の関係を物語る文科省関係者のこんなコメントを掲載していた。

「14年12月、中央教育審議会会長として“民間資格・検定試験の活用”という方針を打ち出した安西祐一郎氏は、GTECをベネッセと共催している進学基準研究機構(CEES)の評議員でした。教育再生実行会議委員だった武田美保氏もCEESの理事。元民主党参議院議員で、14年に当時の下村大臣に招聘されて文科省参与に就任、15年から18年まで文科相補佐官を務めた鈴木寛氏は、ベネッセグループの福武財団の理事です。文科省とベネッセグループは一心同体で、“第二の加計疑惑ではないか”という声も聞こえます」

 そして、両誌はこうした関係を背景にベネッセが文科省に食い込み、当初は蚊帳の外だった「GTEC」を英語民間試験の中心的存在に押し上げたと指摘している。

『朝生』で田原氏がなぜ根拠のない「2千数百万円の献金」を口にしたのかさだかではないが、あの『朝生』の空気を見る限り、英語民間試験をめぐる疑惑は掘ればまだまだ出てくる可能性が高い。メディアには徹底した追及を望みたい。

最終更新:2019.12.09 07:29

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