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韓国ベストセラー『反日種族主義』は日本のネトウヨ本そっくりの歴史修正とフェイクだらけ! 背後に日本の極右人脈が…

麻生太郎財務相の一族経営の炭鉱で行われていた朝鮮人徴用工虐待

 しかも、『反日種族主義』のなかで李宇衍氏は、朝鮮人徴用工らの待遇について〈賃金は基本的に正常に支給されました〉〈「労働環境における民族差別」という主張は、想像の産物であり、歴史歪曲に過ぎません〉などとも主張している。フェイクだ。暴力による強制労働や過酷な環境での生活を余儀なくされたという朝鮮人徴用工たち証言は、枚挙にいとまない。

 一例として、現在の麻生太郎財務相の出身でも知られる麻生家が仕切っていた福岡県下の炭鉱の例をみてみよう。厚生省の集計によれば、1939〜45年にかけて麻生鉱業へは少なくとも1万623人が連行された。麻生系の炭鉱では「朝鮮人地獄」と呼ばれるような光景が広がっていたという。

 複数の元朝鮮人徴用工の証言によれば、麻生系の赤坂炭鉱では、朝鮮人寮の周囲は針金のついた板壁で囲まれており、監視所と番人に見張られて外部との面会もできなかった。労務事務所には留置所のような監獄部屋があった。坑道内は暑く、臭気がこもった。日中戦争が始まると扱いは酷くなり、休みも認めず、逃亡したりサボったりした坑夫は木刀やベルトなどで殴打されるなど、暴力的な強制労働が行われたという(竹内康人『調査・朝鮮人強制労働①炭鉱編』社会評論社)。

 長崎の端島(通称、軍艦島)での元徴用工の証言もあげておきたい。周知のように軍艦島は、2015年に安倍首相の肝いりでユネスコの世界文化遺産に登録された「明治日本の産業革命遺産」に含まれている。

 1943年に14歳で連行された崔璋燮さんは、高等国民学校での木銃の訓練の最中、いきなり捕まえられて益山の郡庁に連れて行かれた。翌日、汽車で釜山へ運ばれた。釜山からは原田という名前の日本人よって船で博多まで引率され、長崎に向かい、再び船に乗せられて着いたのが端島だった。「端島がどんな所か何も話さず、無条件に良い所だと騙して、あの手この手で逃亡を防ぎながら連行した」という。2010年の市民団体によるインタビューのなかで、崔さんは端島での強制労働や生活をこう語っている(長崎在日朝鮮人の人権を守る会・編『〔増補改訂版〕軍艦島に耳を澄ませば 端島に強制連行された朝鮮人・中国人の記憶』社会評論社)

「石炭を掘り出す仕事、採炭だ。わずか一週間だけ採炭現場を見学させて、仕事に就かせた。一番方、二番方、三番方というふうに三交代で一日一六時間労働のときと、二交代で一日一二時間労働のときとあった。一度に四〇人ずつ、坑口から三、〇〇〇尺もの地下にものすごいスピードで降下して、身の縮む思いがした。現場は暑くて汗だくなので、一年中、褌一丁で働いた。〔中略〕汁かけ飯一杯食っただけで長時間働くのだから、みんな栄養失調状態になった。仕事が終わって、七メートルはある防波堤の上に毛布を敷いて体を休めていると、脚が痙攣を起こした。『俺、死にそうだ』という呻き声も聞こえた。しかも賃金をもらったことはない。私の記憶は確かだ」

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