「五輪招致のためなら何をやってもいい」というのが、猪瀬、JOC、招致委の本音
しかし猪瀬氏は「10月は台風のシーズン」「マラソンが札幌になると言ってるけれども全体的に見ると大きなことではない」「東京じゃなくても暑いんだから」などと、柳澤氏の質問にまともに答えない。
あげく、「オリンピックはいま、あたりまえにくることになっているけど、本当に東京にくるかというのが、ギリギリで勝負だったわけですよ。招致決定の前の晩は眠れないくらいだった」「だから必死になってプレゼンテーションをしたりIOCの人とコミュニケーションをとってきたわけですよ」と、招致の苦労自慢を始める始末。
ようは、五輪招致のためなら何をやってもいい、それが当時の猪瀬氏、そしてJOC、招致委員会の姿勢だったのだ。
こうした猪瀬氏の態度を見て改めて確信したのは、やはり東京五輪の招致などしないほうがよかった、いや、招致するべきではなかったということだ。東京五輪をめぐる様々な問題は、酷暑だけではない。膨れ上がる費用、建設現場での相次ぐ過労死、招致をめぐる不正疑惑、ボランティアのブラック労働……五輪至上主義のもと看過されてきた数々の問題。これはすべて、招致の段階から始まっていたことが、猪瀬氏の発言の数々であらためて明らかになった。
いまからでも遅くない、こんな嘘だらけの東京五輪は開催返上するべきだ。
(田部祥太)
最終更新:2019.10.31 04:19