電力会社9 社、電事連、日本原電も稲田朋美のパーティ券を購入
その内訳はこうだ。まず、北陸電力が8万円。九州電力、中国電力、東北電力がそれぞれ6万円。四国電力と北海道電力がそれぞれ4万円。さらに日本原子力発電が10万円。その上、電力会社の連合会である電気事業連合会も10万円とある。
つまり、稲田氏は東京電力と沖縄電力をのぞく電力会社9社と、その関連会社や団体から、総額112万円ものパーティ券を購入してもらっていたのだ。ちなみに、この返金リストでも、アイビックス社(20万円)の記載がある。
言っておくが、電力会社は「地域独占で公共性が強いのに献金はおかしい」といった批判が高まったことから、1974年以降、会社としての政治献金を中止している。にもかかわらず、こうして事実上の献金であるパーティ券をこぞって購入していたのである。
しかも、稲田氏がパーティを中止するというアクシデントがなければ、電力会社がこのように稲田氏のパーティ券を購入していることは明るみに出ることはなかったのだ。裏を返せば、購入額が20万円以下だったために発覚しなかっただけで、実際にはこのとき以外にも、同じように電力会社や関連団体による“原発マネー”が稲田氏に流れている可能性は高いだろう。
原発立地県の選出議員というだけではなく、安倍首相のお気に入りであり後継者とも言われる稲田氏に群がる電力会社──。無論、これは稲田氏だけではない。他の原発推進派の国会議員にも、同じようなかたちでカネが流れているのだろう。
いや、そもそも自民党自体が、“原発マネー”漬けになっていると言える。前述したように、電力会社は政治献金を中止しているが、自民党の政治資金団体「国民政治協会」の2017年度の政治資金収支報告書をみると、きんでんや四電工、中電工、九電工、北陸電気工事、ユアテックといった電力会社の連結子会社や持分法適用関連会社から献金を受けていることが確認できる。それらの企業から受けた献金総額は、1023万2000円だ。
これだけではない。今年5月16日の参院経済産業委員会では、共産党の辰巳孝太郎議員が、第2次安倍政権発足以降に「原子力産業協会」に加盟する企業からの政治献金が急増していると指摘。その献金額は2017年度だけでも7億円を超えるという。
きょうからはじまる臨時国会で、原発推進によって潤う安倍自民党が今回の関電問題の真相解明に取り組むとは到底考えられないが、稲田氏の問題を含め、野党は徹底した追及をおこなってほしい。
(編集部)
最終更新:2019.10.04 10:39