首相官邸HPより
内閣改造からちょうど1週間の昨晩、さっそく「タマネギ内閣」の新閣僚から公選法違反の疑いが濃厚な疑惑が飛び出した。安倍首相の側近である高市早苗総務相が、選挙中に国と取引をおこなう契約業者から献金を受け取っていたというのだ。
報道によると、2017年におこなわれた衆院選の選挙期間中に、高市氏が代表を務める自民党奈良県第2選挙区支部が、当時、警察庁や防衛省と取引のあった奈良市の寝具リース会社から30万円の献金を受領。公職選挙法では、国政選挙において国と利益を伴う契約を結ぶ当事者による寄付を禁止しており、あきらかに公選法違反にあたるだろう。
そもそも高市氏をめぐっては、やはり総務相だった2016年に計925万円の「闇ガネ」疑惑が浮上するなど、カネにまつわる疑惑が数々持ち上がってきた(詳しくは過去記事参照)。ハナから大臣失格者なのだ。
しかし、この「タマネギ内閣」では、高市総務相だけではなく、複数の閣僚も問題が噴出。しかも、そのいずれもが暴力団など反社会勢力と密接交際をしていたなどというとんでもない話なのだ。
その筆頭が、“魔の二階派”に所属し、今回初入閣を果たした武田良太・国家公安委員長だ。内閣改造から間もない13日、「週刊朝日」Web版が「武田国家公安委員長が元暴力団関係者から献金」と報道。記事によると、武田氏は2009年と2010年に、指定暴力団山口組系の元組員とされる人物から政治資金パーティー代として合計120万円を受け取っていたというのである。
その上、本日発売の「週刊文春」(文藝春秋)でも、警察関係者が「(武田氏の周辺では)とかく反社会的勢力の影がチラついていた」と指摘。1996年の衆院選では武田氏の支援者だった右翼団体幹部が選挙区内の飲食店店長を、武田に投票しないと店を営業できなくすると脅迫し公選法違反で逮捕されるなどの事件があり、「その後の選挙でも福岡県警は武田陣営を徹底マークしていた」(福岡県警関係者)という。
支援者が公選法違反を犯し、地元警察からもマークされていた人物を、よりにもよって全国警察組織を監督する立場である国家公安委員長に登用する──。まるで悪い冗談のようだが、“黒い交際”疑惑はほかにもある。“IT担当相なのに違法動画に高評価”として話題となった竹本直一・科学技術担当相だ。
昨年3月、「FRIDAY」(講談社)が「岸田文雄 自民党政調会長 山口組元幹部との「親密写真」が流出」と題し、指定暴力団中野会の副会長だった人物と岸田政調会長が握手する写真を掲載したのだが、じつはこの写真が撮られたのは、竹本氏の後援会が開催した「新春賀詞交歓会」でのこと。つまり、竹本氏のパーティに指定暴力団の元副会長が参加していたのである。しかも、この元副会長と竹本氏が一緒に写った写真もSNSに掲載されていたというのだ。
さらに、同じく初入閣した田中和徳復興相をめぐっては、財務副大臣だった2006年に指定暴力団稲川会系組長が取締役を務める企業にパーティー券を販売していた疑惑が2011年に発覚したが、今週発売の「週刊文春」では、田中氏は国会議員になる前から稲川会系の組長と親密だったと指摘。なんと初当選後にはその組長の息子を秘書として雇用するなどしていたという。