河井克行法務相はアメリカのネトウヨの親玉・バノンとアパホテルで
また、法相の河井克行衆院議員は、差別主義者であるスティーブン・バノン前米大統領首席戦略官を自民党の講演会に招き、一緒にアパホテルを訪れ、ツーショット写真を嬉々としてブログにアップするような神経の持ち主。今年8月にもワシントンDCでバノン氏と性懲りもなく会談しており、河井氏のブログによると、話題のほとんどを韓国政府のGSOMIA破棄に費やして、ホワイトハウスへ働きかけてくれるよう“告げ口”したという(なお、日刊ゲンダイによれば、小学校時代のあだ名は「スネ夫」だったらしい)。
法相としての資質も大いに疑問だ。河井氏はかつて、取り調べの録音・録画などの「可視化」について、〈私は「分かりやすい立証」を進めるという名の下に取り調べの可視化を図ることがどれほど捜査現場の手足を縛り、なし崩しの禍根をもたらすか、危惧しています〉〈日本が築いてきた治安の良さを覆す大問題〉として猛烈に反対していた(「正論」2009年5月号/産経新聞社)。裁判所や検察当局を所管する大臣として、この人権感覚の欠如は致命的だろう。
他にも、農水相の江藤拓衆院議員は、2007年に櫻井よしこ氏らが米紙ワシントン・ポストに出した従軍慰安婦の強制性を否定する意見広告に、稲田朋美衆院議員らとともに賛同者として名前を連ねた。地方創生相の北村誠吾衆院議員も2012年、米ニュージャージー州地元紙に出稿された慰安婦の強制性を否定する意見広告に安倍晋三氏らとともに賛同者として登場している。国家公安委員長で行革担当相などを兼任する武田良太衆院議員もタカ派政治家だ。数年前には防衛副大臣として参加したフランスの武器見本市で、あろうことか楽しそうにライフルの銃口を人に向け、払いのけられた場面がテレビに映され顰蹙を買った。
留任・再入閣組の閣僚も当然のように極右だらけだ。息をするように差別発言を繰り返す麻生太郎財務相は言うまでもなく、ナチス礼賛本を宣伝したことやネオナチ団体代表とのツーショット写真でも知られる「電波停止」発言の高市早苗衆院議員が総務相に返り咲いた。
こうした新閣僚の面々を見てもわかるように、ようするに、安倍首相の極右思想や歴史修正主義、そして韓国バッシングの旗振り役となる者だけが、大臣として出世できる。そういうことだろう。事実、穏健保守派の政治家は閣僚や党の要職にもほとんど起用されないし、安倍首相に刃向かった石破派の議員たちは入閣ゼロに終わっている。つまり、この“史上最悪の極右内閣”が意味するのは「安倍シンパにあらずんば政治家にあらず」ということらしい。
私たちができるのは、この極右むき出しの組閣をちゃんと批判することだ。でなければ、日本はどんどん“安倍サマのための極右国家”になっていってしまうだろう。
(編集部)
最終更新:2019.09.12 12:03