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柴山文科相が入試改革を批判した現役高校生を晒し上げ公選法違反と恫喝!「学校の昼休みに政治の話」とツイートしただけで

法律違反は柴山文科相 萩生田光一の文科相就任で憲法無視、言論弾圧はますますひどく

 ようするに、これは柴山文科相が攻撃した日本の高校生と高校教員の投稿はドイツでは当然のものだとしか受け止められない記事であり、むしろ記事では“中立性が求められるのは政府”と指摘されている。つまり、高校生や高校教員からの個々の意見表明を文科大臣が「不適切」などと吊し上げした行為こそ、中立性を犯す暴挙と言うべきなのだ。

 安倍自民党の“違法CM”は棚に上げ、弁護士でありながら法律解釈を都合よく捻じ曲げ、さらには自分の暴挙を立証するような記事にリンクを張る……。柴山氏は端的に「バカ丸出し」としか言いようがないが、問題なのはこれが安倍政権の考え方であり、姿勢であるということだ。

 現に、安倍自民党は2016年の参院選公示直前に、“「子供たちを戦場に送るな」と主張することは偏向教育、特定のイデオロギーだ”と糾弾し、そのような学校や教員の情報を投稿できる“密告フォーム”を設置。さらに、自民党の木原稔・党文部科学部会長(当時)は、“密告フォーム”に寄せられた情報について「公選法違反は警察が扱う問題」などと述べ、情報の一部を警察当局に提供する考えを示した。つまり、教員が「子供たちを戦場に送るな」と言う当たり前のことすら糾弾し、選挙中であったことを盾に公選法違反として捜査対象にしようとしたのだ。

 さらに、同年12月には、自民党文部科学部会が教員の「政治的中立性」を確保すべく処分を厳格化する方向で検討を開始。朝日新聞の報道によれば、同部会は〈現状では政治的中立を逸脱しても「処分が重くない」と指摘。教育公務員特例法を改正し、罰則を科すことも検討すべきだとした〉とし、今後、〈教員免許を都道府県教委に代わって国が授与・管理する「国家免許化」や、国公私立すべてに共通する教員の理念を規定する立法措置を講じることなども議論〉していくと打ち出している。

 免許の授与だけでなく、教員の理念までをも国によって規定・管理する。これはいわば、政府にとって不都合な考えをもった教員を締め上げ、徹底的に萎縮させようとする現場介入にほかならない。今回の柴山文科相の主張はこの地続きにあるもので、「学校における政権に批判的な発言は許されない」と刷り込んで萎縮させようとするものだ。

 冒頭でも少しふれたように、柴山文科相は、先月おこなわれた埼玉県知事選の街頭演説で大学入試改革に反対してヤジを飛ばし警察に強制排除された大学生についても、Twitter上で吊し上げた上、「街頭演説でヤジを発することは権利として保障されていない」などと大臣会見で主張。さらにはTwitterでは〈13条見て下さい〉などと投稿し、わざわざ「表現の自由」と関係のない「個人の尊重」を定めた条項を持ってきて、大臣に批判の声をあげる行為は「公共の福祉」に反していると強調したが、これも安倍政権の姿勢を表したものだった。実際、「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」中止問題でも、自民党の杉田水脈議員は〈憲法第21条で保障されている表現の自由は、「公共の福祉」による制限を受けます…〉と投稿していた。

 ようするに、自分たちのヘイトや歴史修正主義発言を「表現の自由だ」と正当化しながら、市民の「表現の自由」だけを制限しようとしているのである。

 そして、今回も高校生の「昼休みに安倍政権の問題点をたくさん話した」という投稿や高校教員の投稿を「不適切」と断じ、文科大臣自ら政権批判を教育現場から封じ込め、言論統制をおこなおうとしたのである。

 明日には内閣改造がおこなわれ、柴山文科相の後任には、安倍首相の側近中の側近で極右思想の持ち主である萩生田光一・自民党幹事長代行の就任が有力視されているが、露骨な“憲法違反+言論弾圧”、教育現場に対する統制はますます強化されてゆくことは間違いないだろう。

最終更新:2019.09.10 11:54

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