文春が証拠音声を出しているのに菅官房長官はコメント拒否、テレビは1秒も報じず
しかし、それ以上に驚いたのは、メディアの反応だ。とくにテレビはこの問題をまったく報じていないのだ。
実際、「週刊文春」の報道を受けてこの問題を取り上げた大手メディアは、時事通信のみ。さらに、昨日午前の定例会見で菅義偉官房長官が「報道は承知しているが、個別の記事の内容にひとつひとつコメントは控える」と言い、調査をおこなう方向さえ示さず回答を拒否するという無責任ぶりを見せたのだが、それでも後追いするメディアはいまのところ見られない。
なかでも異常なのが、ワイドショーだ。今回、「週刊文春」は音声データも公開し、口利きについて語っている部分のみならず、秘書に当たり散らす「パワハラ」の模様も伝えている。いかにもワイドショーが好みそうなものなのに、しかしそれは取り上げず、何を伝えていたかといえば、あいも変わらずあおり運転に日韓問題。きょうの『とくダネ!』(フジテレビ)にいたっては、大音量の迷惑走行に、福岡・中洲で“立ちション”が相次いでいるという話題を取り上げていた。
政務官と秘書の「お金もらう案件になっているんだから」「あっせん利得になっちゃいますよ」という衝撃的な会話データがあるというのに、それはやらずに一般人の犯罪を糾弾し、“政府公認”の反韓報道に血道を上げ、一般人の迷惑行為の暇ネタで間を埋める──。こうやって、隣国から一般人までたんに憎悪感情を煽るだけのニュースに終始する一方で、政権の要職にある政治家の不正疑惑は国民に知られることもなくフェイドアウトしてゆけば、ほくそ笑むのは一体誰か。おのずとよくわかるというものだろう。
(編集部)
最終更新:2019.08.23 09:24