NHKが「日本にF35購入計画を変更する選択肢ない」の政府関係者証言を報道
実は意外なことに、NHKがF35問題について、踏み込んだ報道をしていた。6月7日の『時論公論』で、防衛を専門分野とする増田剛解説委員が、F35墜落事故の調査打ち切りや、岩屋防衛相が事故が起きた後も「計画を変更する考えはない」と強調していることを紹介した上で、こう語ったのだ。
「背景にあるのが、F35が帯びている『強い政治性』です」
また、「今回の事故の原因が、パイロットの体調の異変ではなく、機体そのものの不具合だったという結論になれば、計画に影響することは避けられない」としながら、それとは逆の政府の本音をこう紹介した。
「ある政府関係者は、『対米関係を考えれば、日本に、F35の購入計画を変更する選択肢はない』と話していました」
そのうえで、NHKはF35をめぐる安倍政権とトランプ大統領の交渉について、こう解説していた。
「F35は、『バイ・アメリカン』を提唱するトランプ大統領がトップセールスをかける主力商品です」
「『アメリカ・ファースト』を掲げるトランプ大統領は、米国製品購入拡大と対日貿易赤字削減を強く求めており、日本にとって、F35は、事実上、その要求に応えるメッセージになっています」
NHKなので、安倍政権に対する表立った批判はなかったが、明らかにトランプ大統領との約束であるF35購入を今更変更できないから、原因をパイロットに求め、安倍官邸に配慮して、捜査を打ち切ったことを示唆したのだ。
「もともとF35の大量購入については、政府や防衛省内部でも『アメリカのために買わされただけで、必要性がない』と反発が強い。しかも、事故原因をまともに検証せずに調査を打ち切り、導入計画を変更しなかったことで、制服組からも『自衛隊員の命をなんだと思っているのか』と不満の声が上がっている。今回、政権御用メディアのNHKがここまで踏み込んだのも、そうした不満の表れかもしれません」(全国紙防衛省担当記者)
改めて繰り返しておくが、安倍首相のF35爆買いは、トランプのご機嫌取りのために1兆円以上の国民の血税をつぎ込むというだけではない。墜落事故が起きても、“米国からの大量購入・配備ありき”で安全性を度外視し、フライトレコーダーを探すのをやめて「原因はパイロットの空間識失調」と決めつけるその姿勢は、将来、自衛隊や国民を危険にさらすものなのだ。
ようするに、トランプのご機嫌と国民の命を天秤にかけたうえで前者をとったこの国の宰相は、まさに“売国奴”と言うしかない。
(編集部)
最終更新:2019.06.15 09:39