「俺は女を買いたいんだ!」と喚いた丸山穂高と長谷川豊こそ「維新的」
だが、これこそが維新の正体なのだ。事実、維新の生みの親でいまなお影響力を誇る橋下徹氏は「慰安婦制度は必要なのは誰だってわかる」と言ったり、沖縄県うるま市で女性強姦殺人事件が起こった際も、過去の“風俗の活用”発言を「撤回しない方がよかったかも」などとツイッターに投稿したりと、暴言を連発しながら反省の色を微塵も見せない。維新代表の松井一郎・大阪市長も、沖縄・高江で「土人」発言をおこなった大阪府警の機動隊員に批判が集まるなか、「出張ご苦労様」と差別を肯定するかのように労ってみせたほどだ。
それだけではない。維新をめぐっては、除名した丸山穂高議員の「戦争しないとどうしようもなくないですか」発言の続報を、本日発売の「週刊文春」(文藝春秋)と「週刊新潮」(新潮社)が報じ、大きな問題となっている。丸山議員は、「戦争」発言が飛び出した同日夜、無用な外出が制限されているにもかかわらず「外に出たい」「近くの店に行かせろ! そこに女がいるだろう」「行かせろよ、俺は女を買いたいんだ!」「オレは女の胸を揉みたいんだ!」とわめき立てた上、「オレは国会議員だ! ここが日本の領土だろ! 議員だから不逮捕特権があるんだ!」などと言い放ったという。訪問団団員には島民3世の女子中高生も含まれていたというのに、である。
党のトップらは暴言を吐いても反省するどころか逆ギレし、たとえ発言を撤回しても後になって自ら蒸し返して暴言を繰り返す。だからこそ、丸山議員の今回の問題をはじめ、維新所属の議員たちも伸び伸びと暴言を連発。実際、足立康史衆院議員にいたっては史上最多の6回もの懲罰動議が国会に提出されているが、まるで懲りた様子はない。
つまり、長谷川氏はじつに「維新的」な人物であり、事ここに至っても公認取り消しを決定しない姿勢こそ、維新の体質を見事に表しているのだ。
しかし、この異常な維新が、先日の大阪ダブル選でも圧勝をしたように問題とならないのは、メディアの責任も大きいだろう。
事実、今回の長谷川氏の部落差別問題も、メディアが伝えたのは、部落解放同盟の抗議と長谷川氏の謝罪がなされたあとの本日の朝刊から。謝罪がおこなわれるまでは、SNSと、ネットニュースである本サイト・リテラと「BUZZAP!」が批判したくらいだった。
丸山議員の問題にしても、松井代表や橋下氏の暴言歴を取り上げて維新の体質を問うといった掘り下げ方はなされていない。
異常な公党たる維新の体質を批判しないメディアの体たらくによって、長谷川氏や丸山議員の問題もフェードアウトしてゆくのか。そんなことでは、大衆の劣情を煽るための差別発言や暴言が、今後も維新からなくなることはけっしてないだろう。
(編集部)
最終更新:2019.05.24 12:14