安倍首相は「消費税」に一切触れず、ゴマカシの応援演説
衆院大阪12区補選で応援演説に立つ安倍首相
今回の補選と消費増税を関連づけたのは、維新の藤田候補も同じだった。街宣で次のように訴えたのだ。
「(補選で)私を押し上げていただいたら『消費税の増税を吹っ飛ばせる』と言われている。(大阪12区の)寝屋川市、大東市の皆さんが維新と藤田文武にもう一回期待をかけてもらったら、消費税の増税までドーンと吹っ飛ばせるかも知れない。吉村さん(府知事)流に言えば、ダイナマイトみたいな戦いをさせて欲しい。もう火の玉になって突っ込んで行きますので是非とも勝たせて下さい」
すると、続いてマイクを握った松井一郎市長(維新代表)もこう訴えた。「増税の前に(政治家の)自分達も身を切る改革をする。ここで増税を許すと、これから高齢者が増える中で、高齢者の社会保障費を掲げられて、どんどん大増税国家になります。増税を凍結するために藤田候補を勝たせて下さい」
維新候補と野党統一候補が共に消費増税を一大争点と強調したのに対して、最終日の20日に麻生財務大臣と共に大阪入りをした安倍首相は3カ所で応援演説したが、萩生田発言について一言も触れなかった。消費税を財源とする「10月から幼児教育・保育の無償化を実施します」と言いながら、「消費税」という単語は一切出さなかった。そして、実質賃金が下がっているのに「安倍政権になって給与が増えた」という嘘を交えたアベノミクス自画自賛をまたぞろ口にしたのだった。
大阪12区補選でも得意のゴマカシ、争点隠し選挙に徹した安倍首相。正々堂々と政策論争をしない安倍政権に対して、どんな審判が下されるのか。沖縄3区補選とともに大阪12区補選の結果が注目される。
(横田 一)
最終更新:2019.04.20 09:34