現地自治体が「安倍首相の政治アドバイザー」という発言を紹介
これだけならばフィリピン人実習生を斡旋する監理団体の代表として招待されただけとも感じられるが、問題はこのあと。フィリピンのカタンドゥアネス州のHPに掲載されている2018年3月6日付けの記事では、PNTCの社長(president)が、このように語ったと書かれているのだ。
「PNTCの会長(chairman)は安倍晋三首相の政治アドバイザー(political adviser)である」
「フレンドニッポン」の創業者T氏は安倍首相の政治アドバイザーだ──。もちろん、T氏あるいはPNTCの社長がホラを吹いている可能性もあるだろう。しかし、「フレンドニッポン」との関係を示す情報は、ほかにもある。
たとえば、2015年にさかのぼると、11月18・19日に安倍首相はAPEC首脳会議出席のため昭恵夫人とともにフィリピンを訪問したのだが、外務省のHPには、その際の昭恵夫人の動向について、こう書かれている。
〈19日晩、安倍総理夫人は、協働組合フレンドニッポンにて研修中のフィリピン人技能実習生らと懇談しました。(中略)安倍総理夫人は「来年訪日されるフィリピン人技能実習生の方々とお会いすることができ嬉しく思います。訪日後は生活習慣や言葉の違い等苦労があると思いますが、是非日本の良い点を学んでいただきたいです。皆さんが日本で働かれている姿を見ることができればと思います」と伝え、技能実習生に対してエールを送りました〉
「ここにも昭恵夫人か」と思うほかないが、「フレンドニッポン」はこのほかにも、2014年2月に自民党本部で開かれた「監理団体へのヒアリング」に「講師」として出席。〈技能実習制度を拡大して安価の労働力として使おうという自民党の提言づくりにも深く関与〉(しんぶん赤旗)していたというのである。