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共同も「官邸の意向」と報道、統計不正は森友加計と同じだ! 厚労省に圧力の中江首相秘書官は安倍首相の子飼い官僚

中江首相秘書官の厚労省への圧力は「問題意識を伝えた」レベルじゃない

 当の中江前首相秘書官は14日の衆院予算委員会で追及を受けた際、「昨年7月に首相秘書官の職を辞している。本日は関税局長として出席しており、所管外のことは答えを差し控える」と答弁を拒否。15日、「当時の首相補佐官」としてようやく答弁に立ち、2015年3月31日の件について、こう説明した。

「経済の実態を適切に、タイムリーに表すために『改善の可能性について考えるべきではないか』という問題意識を伝えた記憶がございます」
「(厚労省側との)一連のやりとりはすべて、政策的な観点からのものであると考えております」

 中江前首相秘書官は「政策的な観点」などと言うが、首相の右腕から直々に「改善の可能性について考えるべき」と突きつけられた厚労省職員は、一体どう受け止めたか。

 いや、そもそもこの場で中江首相秘書官がおこなったのが、「改善の可能性について考えるべき」などという生易しい提案だったとは信じがたい。

 というのも、厚労省は約2カ月後の6月にはさっそく調査方法を見直すための「毎月勤労統計の改善に関する検討会」(以下、検討会)を発足。この検討会の委員である第一生命経済研究所の永濱利廣氏は、朝日新聞の取材に対し「官邸が(改訂を)問題視して、なんとかしろと言う話で厚労省が立ち上げたのが検討会」と話しているが、ほかの委員もこんな証言をおこなっている。

「サンプルを(全数)入れ替えるたびに数値が悪くなるそれまでのやり方に官邸か、菅(義偉官房長官)さんかが『カンカンに怒っている』と言って厚労省職員は検討会の最初から相当気にしていた」(東京新聞10日付)
「プラスだと喜んでいたところ実はマイナスだったということで、官邸が怒っているという話を、誰からか聞いた記憶はある」(朝日新聞15日付)

 検討会の最初から、安倍官邸から受けた“恫喝”を有識者委員に対して厚労省職員が語っていた──。中江首相秘書官が言う「問題意識を伝えた」という言葉と、厚労省職員の震え上がり方には、あまりにも落差がありすぎるだろう。

「問題意識を伝えた」という程度の話ではなかったことは、中江首相秘書官に直接、説明をおこなった厚労省の姉崎猛・統計情報部長(当時)の言動からも滲み出ている。姉崎統計情報部長は、検討会の第1回会合で、最初にこう述べているからだ。

「アベノミクスの成果ということで、賃金の動きが注目されておりまして、この研究会のテーマでございます「毎月勤労統計調査」でとっている賃金、特に実質賃金の動きが世の中的に大変大きな注目を浴びております」
「賃金の動きが、今月上がった、下がった、どのぐらい上がったと注目されている中で、いきなり過去の3年間に遡って変わってしまったために、一部では、人騒がせな統計だとか、サプライズだとか、毎月勤労統計ショックだとか、いろいろな言葉で大変騒がれたというか、いろいろな御意見を各方面からいただくようなことになりました」

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