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安室奈美恵、上田晋也、村田諒太…圧力に負けず政権への怒りを貫いた芸能人に捧ぐ!「芸能人よく言った大賞」(前編)

★8位 世良公則——『バイキング』で空気に逆らい「安倍長期政権の弊害」を鋭く指摘

 往年のスターやミュージシャンが続々と出演して、社会問題や事件にコメントするのが恒例になった『バイキング』(フジテレビ)。しかし、多くは、中条きよしや山本譲二などのように、強者の権益を擁護する時代錯誤的説教オヤジがほとんどだ。

 しかし、そんななかで異彩を放っていたのが、ミュージシャンの世良公則だった。世良は日産のカルロス・ゴーン元会長の事件を扱った回に出演、その構造的な背景として、安倍政権批判に踏み込んだのである。ゴーン元会長がひとりでこんな犯行ができたのか、という問いかけに、まず、世良はこう答えた。

「いまの国だって文書改ざんしてくれる役人がいるし、スポーツ界でもなんとか揉み消してくれる親方たちがいる相撲界があったりするじゃないですか」

 森友文書改ざんをもちだしたこの発言に、スタジオは微妙な空気になり、司会の坂上忍も「踏み込んだ発言ありがとうございます」「よその業界からもってきて、たとえるの好きですよね」などとまぜっかえした。しかし、世良はその空気に「あれ? 僕、なんか言っちゃいました?」と返しながらも、実際はまったくひるむことなく、こう続けたのだ。

「僕は共通していると思うんですよ。いまの日本って。すごく力をもっている方が、政治の世界もそうですけど、長くやられる。そうすると、実力如何に関わらず、仲の良い方とか、コントロールしやすい方たちで固める。そうすると、そこからボロが出る。そこで丁寧に説明しますと言いながら、まるで僕らには理解のできない説明で話が次に行く、知らない間に日数だけが過ぎて過去の話になっていく」

 これはまさに、安倍政権が森友加計問題でやった不正の本質、その事実を忘れさせられてしまいそうになっている日本社会の現状を鋭くえぐるものだったといっていいだろう。しかも、感心したのは、その確信犯ぶりだ。慌ててフォローに走る坂上に、世良は笑いながら「じゃあ、(『バイキング』に呼ばれることは)二度とないですね」と答えていた。ロック魂の健在ぶりに拍手したい。

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