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レーダー照射問題の強硬姿勢の裏で、海上自衛隊が「イジメ自殺」を過労死として隠蔽しようとしていた!

レーダー照射問題の強硬姿勢の裏で、海上自衛隊が「イジメ自殺」を過労死として隠蔽しようとしていた!の画像1
海上自衛隊HPより


 日韓両国にとって大きな火種となったレーダー照射問題。日本の防衛省、自衛隊は安倍官邸に押される形で韓国に対して「事実をごまかしている」と強く批判しているが、その自衛隊が一方で、自分たちの内部の不祥事をごまかし、なかったことにしようとしていたことが判明した。

 隊内のパワハラ・イジメで幹部自衛官が自殺していたことを隠蔽し、過労死として処理しようとしていたというのだ。

 自殺したのは西森文彦3等海尉(32歳)。今年9月、神奈川県横須賀基地の補給艦「ときわ」の司令部事務室で首をつっていた。

 これは、ジャーナリストの寺澤有氏のスクープによって判明したものだ。これまでも自衛隊の実態を取材してきた寺澤氏だが、12月12日、Kindleで『海上自衛隊が幹部間のイジメ自殺を隠蔽』を発表、そこで西森3等海尉の自殺と、その背景に艦長や上司のパワハライジメがあったことを報じた。

「遺書はありませんでしたが、乗員の多くが、高木征教艦長(2等海佐)、中永浩幸副長(同)らによる 西森3等海尉へのイジメを目撃しています。『バカ』『辞めろ』『死ね』などと暴言を吐いたり、処理しきれないほど大量の課題を与えたり、艦内から陸上へ出ることを禁止したりと、イジメは執拗にくりかえされたそうです」(防衛省関係者のコメント 同書より)

 しかも、問題なのは、海自がこの自殺を「過労死」として処理、隠蔽しようとしていたことだ。そのため、複数の「ときわ」乗員が公益通報(公益通報者保護法に基づく内部告発)を行い、11月30日付で全乗員に「パワハラに関する実態調査」を実施せざるを得なくなった。

 詳細は『海上自衛隊が幹部間のイジメ自殺を隠蔽』(Kindle版)をぜひ読んでほしいが、その結果、寺澤氏が報じたように「艦長が『休むな』と指示」「上官が『死ね』『消えろ』などと発言」「自殺前夜にバインダーを投げつけた」「別の上官が家に帰らせないと指導」「艦長が他の乗員を殴ったり、ノートを投げつけたりした」などのパワハライジメが明らかになった。
 
 海自は12月18日、ようやく事故調査委員会を設置し、一部の新聞もパワハラ自殺だったことを報道。12月27日には高木艦長が更迭される事態となったが、公益通報と寺澤氏のスクープがなければ、自殺は過労死として処理され、イジメやパワハラは完全に隠蔽されてしまっただろう。

 しかも、だ。防衛省はこの期に及んで、まだ責任逃れをしようとしている。いじめた直接の加害者である高木艦長は更迭処分にしたが、隠蔽については一切説明しようとせず、隠蔽に関わったとされる幹部の存在も公表していないのだ。

 さらに、事件をスクープした寺澤氏が25日に行われた岩屋毅防衛相の記者会見はじめ、会見への出席を要求したところ、防衛省は「フリーランスの庁舎への入構を認めない」という理由で、会見出席を阻止し続けている。

 これは、今回の事件をイジメ自殺だけにすませ、「防衛省の隠蔽」の追及を封じ込めようというものだろう。

 まったく呆れるほかはないが、自衛隊のパワハライジメと自殺、そして隠蔽は今回に始まったものではない。

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