ZOZOの非正規労働者の人数も答えられなかった田端信太郎
藤田「だからどれくらい非正規の人(をZOZOで)雇ってるんですか?」
田端「それは、もう別に……非正規の定義を教えていただきたいんですけど。そんなん……」
藤田「派遣、パート、アルバイト、外国人労働」
田端「……それは僕は全部わからないな。社員としては今、連結で1000人くらいいますけど」
藤田「でしょ」
田端「おそらくまあ、1000人か2000人くらいいると思いますけどね」
藤田「派遣も入れてでしょ。そもそも把握されてないんでしょ?」
田端「それはだって僕がいち社員だから把握する必要ないと思う」
藤田「正社員は把握してるんですよね?」
田端「いや、僕……」
藤田「正規と非正規の待遇差別すごいんですよ、上場企業の。だからちょっとね、あのまあ、ZOZO個別で申し訳ないけれども……」
田端「そうだとしたらそれこそ……」
藤田「上場企業の大体がね、こういうことなんですよ。非正規で、派遣なんか何人いるかなんて把握すらしてないんですよ」
この後、田端氏が上場企業かどうかは関係ないというようなことを言い出して、結局、議論は全然噛み合わないのだが、いずれにせよ、田端氏が「非正規が何人いるか」という質問にまったく答えられず、「把握する必要はない」と開き直ったことは確かだ。
ようするに、こういうことだろう。田端氏は普段から“労働者の自己責任”とか“生命保険に入って自殺すればすごい時給がもらえる”とか“搾取されたとか言うのは逆恨み”といった主張を連呼しているが、それは結局、労働者の立場など一切考えてもいなければ、そもそもが、そうした状況を知ろうともしていないからなのである。この想像力のなさ、あらためて呆れるほかないではないか。
しかし、呆れるだけではだめだ。本当に恐ろしいのは、田端氏という人物そのものよりも、労働者を罵倒して蹴散らそうとする発言が、いたるところで繰り返され、しかも、それ支持する一般の人々も少なからずいる、という日本社会のほうだろう。
事実、田端氏はこの種の発言をするたびに炎上し、批判もされている一方、「正論を言っているだけ」というような擁護や同調の声もあがってきた。例の自民党の杉田水脈衆院議員の“生産性がない”発言や、高度プロフェッショナル制度や入管法改正案などを安倍政権がゴリ押しするのもその同一線上にある。
すでにコスト論的な価値観だけで人間を批評する発想は広く蔓延している。この社会が、私たちひとりひとりを「使い捨て」しようとする方向に向かっていることに、もっと危機感を覚えなくてはならない。
(編集部)
最終更新:2018.12.26 12:24