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安倍官邸の「FTAという言葉を使うな」圧力でNHKが過剰訂正! ペンス副大統領は「FTA」とツイートしたのに

安倍官邸の「FTAという言葉を使うな」圧力でNHKが過剰訂正! ペンス副大統領は「FTA」とツイートしたのに の画像1
NHKに圧力の安倍官邸…(首相官邸HPより)

 アメリカとの交渉開始を合意した「新たな貿易協定」について、包括的なFTA(自由貿易協定)ではなく物品の関税引き下げに限った「TAG」(物品貿易協定)であると必死になって言い張りつづけている安倍首相。そんななか、13日、NHKである“事件”が起こった。

 13日の正午過ぎからはじまった、ペンス副大統領と安倍首相による共同記者発表。NHKはこの模様を正午の『NHKニュース』の時間を延長して生中継したのだが、その後、13時台のニュースのなかで、このような訂正を出したのだ。

“正午のニュースで安倍首相とペンス副大統領の共同声明が流れた際、ペンス副大統領の同時通訳で『2国間による貿易協定』を『FTA』と表現しましたが、これは誤りでした”

 そして、テロップで「×FTA・自由貿易協定 ○2国間による貿易協定」と打ち出したのだ。

 たしかに、ペンス副大統領は共同記者発表で「bilateral trade agreement」(2国間の貿易協定)と述べており、FTAとは言っていなかったのだが、問題はこのあと。NHKはその後、過剰なまでに「TAG=物品貿易協定」を強調、安倍首相とペンス副大統領との会談の“成果”を伝えたのである。

 NHKの看板ニュース番組である『ニュース7』と『ニュースウオッチ9』では、「TAG=物品貿易協定」というテロップをデカデカと打ち出し、「自由で公正かつ互恵的な貿易のために最良の方法は2国間による貿易協定だ」というペンス副大統領の発言をピックアップ。さらに、「協定の交渉中はアメリカ側は自動車など関税引き上げ措置を発動しないことを確認した」という情報を強調したのだ。

 すばやい訂正報道と、これみよがしな「TAG」のアピール……。じつはこの訂正後の露骨な報道の裏には、官邸からNHKに対する圧力があったと見られている。

 実際、西村康稔官房副長官は共同記者発表後、同時通訳が「FTA」と訳した問題を取り上げ、「ペンス氏はFTAとは言っていない」と発言。この発言からしても、同時通訳のミスに官邸が激怒し、NHKに強い抗議をおこなったことが伺える。

 しかも、NHKが『ニュース7』と『ニュースウオッチ9』でペンス副大統領との会談の成果として強調した「協定交渉中は自動車など関税引き上げ措置を発動しない」という情報は、西村官房副長官が記者説明で明かした話だったのだ。

 官房副長官がわざわざ記者に向かって同時通訳のミスにがなり立てて怒りを露わにし、恐れおののいたNHKが過剰なヨイショ報道をおこなう──。ここには、何がなんでも「FTAではなく、TAGだ」と言い張る安倍政権の強権的な姿勢が見てとれるが、しかし、これ、おかしいのは明らかに安倍政権のほうだろう。

 というのも、13日のペンス副大統領の記者発表は、日米の貿易協定が「TAG」などではなく、「FTA」に過ぎないことを強調する内容だったからだ。

 ペンス副大統領が安倍首相に突きつけた言葉は、こうだ。

「アメリカの製品やサービスは障壁によって日本市場で公正に競争できていない」
「貿易協定は物品だけではなく、サービスの分野も含むものになるだろう」

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