「携帯料金」アピールで国民を騙すのでなく、消費税引き上げ見直しを!
安倍首相は10%の増税踏み切りについて「全世代型の社会保障制度への転換」などと嘯くが、2014年に消費税を5%から8%に引き上げた際、安倍政権は大々的に「消費税率の引上げ分は、全額、社会保障の充実と安定化に使われます」「社会保障制度は、すべての世代が安心・納得できる全世代型へ」と訴えていた。
しかし、どうだろう。実際は2014年度の増税によって税収は5兆円増えたが、社会保障の充実策に使われたのはたったの5000億円。2017年度は消費税増収分8.2兆円のうち、1.35兆円しか社会保障の充実策に充てられていない。結局、社会保障の充実を謳いながら、増税した分の多くは財政赤字の穴埋めに使われているのが実態だ。
一方、第二次安倍政権の発足以降、アベノミクスの成長戦略として法人税率はどんどん引き下げられ、法人実効税率は37%から2016年度には29.97%に減少。ようするに、消費税増収分は法人税の減収の穴埋めに使われたようなものなのだ。
上場企業が過去最高収益を達成(2018年3月期純利益)し、大企業の内部留保額は過去最高額となる約425.8兆円(2017年度)を記録する他方、安倍政権下で実質賃金は過去最低に。──そうしたなかで低所得者ほど負担が重くなる「逆進性」の消費税を増税すれば、いま以上に格差と貧困が拡大するのは火を見るよりもあきらかで、もってのほかの愚策としか言いようがない。その上、所得の軽減税率の導入は、消費額の高い高所得者のほうが恩恵を受けるもので、何の低所得者対策にもならないものだ。
消費税増税ばかりか、ダメージ緩和のために「携帯料金の大幅値下げ」などと権限ももたない詐欺的な“アメ”をぶら下げる──。国民を欺くのもいい加減にしろと言いたいが、もう安倍政権の嘘に騙されていてはいけない。菅官房長官が狙いを定める参院選では、国民を騙すのもいい加減にしろとぶつけなくてはならないだろう。
(編集部)
最終更新:2018.10.24 12:48