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ブリーフ判事“厳しすぎる懲戒処分”の原因は安倍政権批判か? 森友加計でも敢然と批判ツイート

ブリーフ判事厳しすぎる懲戒処分の原因は安倍政権批判か? 森友加計でも敢然と批判ツイートの画像1
岡口基一 Facebookより

 岡口基一裁判官にたいする戒告処分が波紋を広げている。Twitterでの投稿で懲戒を申し立てられていた岡口判事が、最高裁長官が裁判長を務める分限裁判で「品位を辱める行状」にあたると判断され、減給の処分を下された一件だ。SNSでの投稿を理由に裁判官に懲戒が処されるのは初めてのことだという。

 岡口裁判官といえば、TwitterなどのSNSでブリーフ姿の「自撮り」を公開するなど、積極的に情報を発信し、一部からは「ブリーフ判事」などと呼ばれて親しまれている。これまでも半裸画像の投稿や、裁判に関する投稿で2度厳重注意を受けていた。岡口裁判官は17日の記者会見で、「最高裁を信じていたが、こんないい加減な事実認定で判断をするとは思わなかった」「過去の厳重注意も問題にして処分しており、ふざけた決定だ」などと述べている。

 念のためおさらいしておくと、そもそも、懲戒の根拠とされた岡口裁判官による今年5月のツイートは、公園に放置されていた犬を保護した被告に対し、元の飼い主である原告が返すように求めた民事裁判(原告勝訴)に関するニュース記事のURLを貼り付け、〈公園に放置された犬を保護したら、元の飼い主が名乗り出て「返して下さい」 え? あなた? この犬を捨てたんでしょ? 3か月も放置しながら〉〈裁判の結果は…〉などと投稿したというもの。原告側の当事者から当該ツイートの削除を求められた東京高裁は、岡口裁判官を「当事者の感情を傷つけた」として問題視し、7月に懲戒を申し立てた。

 しかし、岡口裁判官のツイートの文言は、そもそも元記事を要約したかたちをとっていた。この程度で懲戒処分の対象になるのは行き過ぎではないのか。また、憲法で保障された表現の自由の観点から言っても、行政組織である裁判所が勤務外での発言を理由に裁判官を処分することは妥当なのか。

 実際、弁護士など多くの法の専門家からも、今回の一件に強い疑義が呈されている。たとえば、ウェブサイト「弁護士ドットコム」が実施したアンケートの結果によれば、回答した326人の弁護士のうち、284人が「(懲戒)申し立ては妥当ではない」(87.12%)とし、297人が「懲戒処分に該当しない」(91.10%)と答えたという。

「弁護士ドットコム」のアンケートでは、匿名の弁護士のコメントとして〈裁判官の市民的自由の範囲であると考える。政権に批判的なツイートが多いことが今回の分限に関係していると考えられ、分限裁判自体が政府(国)の政策に批判的な裁判官をいっそう萎縮させることになるのを強く懸念する〉というものもあった。

 たしかに、前述の通り、岡口裁判官は日頃からSNSで積極的に活用してきたが、そのなかには、安倍政権の政策を暗に批判するような投稿が散見された。

 たとえば、最近のログを少し遡っただけでも、6月14日には、森友学園問題などでの文書改竄問題について、自民党の自民党の逢沢一郎・元国会対策委員長が「決して国民は忘れてはいない」などとの発言を伝えた記事をリツイート。そのうえで、このように論評していた。

〈国家公務員が,平気で,とんでもない違法行為ができる人達だってことを再認識したね(^_^) しかも,発覚後も,違法行為をした人達が,何事もなかったかのように普通の顔で出勤し,近々国民の税金から多額のボーナスを受け取る(^_^)〉

 また、6月13日には、高度プロフェッショナル制度を組み込んだ「働き方改革一括法案」について、政府が聞き取り調査のうえで根拠として主張していた「労働者のニーズ」が実は、極めて少数の声でしかなかったことを書いたブログ記事を紹介。そのなかで〈立法事実に問題あり、高プロ って、裁判員法と同じじゃん〉〈国民は、こうやって,いつも騙される(^_^)〉などと投稿していた。

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