極右団体、ヘイト団体の関与をネグり、抗議を扇動する産経新聞の悪質
この事件が海外メディアなどに報じられた当初、藤井氏は〈日本から長時間かけて台湾に到着したが、同じ姿勢を長時間続けていたために足が鬱血し、痺れていたために、到着して何度もストレッチを行なっていた。その一部が、この様に切り取られた〉などと陰謀論を主張していたが、9月12日に「「慰安婦の真実」国民運動」は〈動画・画像を見る限り、藤井氏が慰安婦像を蹴るような素振りをしたことは明らか〉と認める文をホームページで公表。藤井氏が同月11日付で同会の幹事を辞任したと発表した。
ようするに、映画『沈黙-立ち上がる慰安婦』の上映会に対する「抗議」は、慰安婦像を蹴り上げるような品性下劣な歴史修正主義団体が会員やネトウヨを扇動した、組織的運動である可能性が高い。同会の他にも、ヘイト市民団体・在特会(在日特権を許さない市民の会)の関係者や、ネトウヨ雑誌「ジャパニズム」などへの寄稿で知られる元警察官の坂東忠信氏らヘイト界隈が、ブログやSNSで茅ヶ崎市へのクレーム電話を呼びかけていたことが確認できた。
いずれにしても、連中のいつものグロテスクな歴史修正運動のやり口には呆れるが、その運動の背景をひた隠しにして、あたかも一般市民が〈中立・公平であるべき行政が後援することを問題視〉したかのような産経新聞の報道は、極めて悪質であり、看過できるものではない。
そのうえで言うが、そもそも「政府見解」と異なる映画が禁止されるとすれば、まさしくそれは北朝鮮や中国のような「表現の自由」のない状況を自ら求めているということになる。
しかも、これは一部の極右団体やネトウヨだけの問題ではない。
安倍首相は若手時代、自民党の勉強会で「実態は韓国にはキーセン・ハウスがあって、そういうことをたくさんの人たちが日常どんどんやっているわけですね。ですから、それはとんでもない行為ではなくて、かなり生活の中に溶け込んでいるのではないかとすら私は思っているんです」などと、“韓国は娼婦国家”という趣旨の発言までしている。
こうした安倍首相の存在が、グロテスクな歴史修正主義をばら撒き、表現の自由を殺そうとする連中を勢いづけていることは言うまでもないだろう。茅ヶ崎市と市教育委員会は、このような卑劣な圧力に決して屈してはならない。
(編集部)
最終更新:2018.10.18 01:49