安倍晋三ツイッターより
台風21号、北海道での地震の被害を受ける日本に対し、各国代表、駐日大使館などが相次いで見舞いや支援のメッセージを送ったが、そんななか、安倍首相のTwitterでの対応が物議を醸している。
というのも、安倍首相はオーストラリアのスコット・モリソン首相や台湾の蔡英文総統からのツイートには丁寧に返信したのに、同様に日本に見舞いのメッセージを送った韓国の文在寅大統領に対しては、9月10日現在、いまだにTwitter上で無視を決め込んでいるからだ。
9月7日、安倍首相は自身のアカウントに、英語と日本語でモリソン豪首相に宛てて〈モリソン首相, あなたの温かい連帯の言葉に心から感謝します。我々は, あなたのご親切に励まされています。自然災害はいつも我々に試練を与えます。私の思いは最近の干ばつで影響を受けているオーストラリアの方々と共にあります〉と投稿。モリソン首相が6日に〈わたしたちの思いは日本の人々と共にあります〉など安倍首相に宛ててツイートしたことに返信したかたちだ。
また、同じく6日には、台湾の蔡英文総統が、自身のTwitter に台湾語と日本語で〈台湾は日本の良き友人として、自然災害が続く日本と共にこの困難な時期を乗り越えたいと願い、またそうする義務があると考えています。北海道で発生した地震のために、台湾は特殊救助隊員40名、災害救助犬2頭、及び必要な器材を派遣する用意を整えました。これからも引き続き日本を応援します〉と投稿した。
このツイートは、モリソン豪首相とちがって、安倍首相に直接送られたものではなかった(安倍首相のアカウントに対するメンションなし)のだが、安倍首相は7日、引用リツイートの形で、謝辞とともに〈我々の共通の大きな課題である台風や地震等の自然災害について, これからも互いに協力して乗り越えていきたいと思います〉と投稿している。
⚫️オーストラリア首相や台湾総統には丁寧に返信したのに、韓国・文大統領には
ところが、文大統領に対しては、安倍首相は完全にシカトを決め込んでいるのだ。文大統領は6日、「@AbeShinzo」と宛先をつけて、韓国語で〈台風と地震で犠牲になった関西と北海道の方々に哀悼の意を表し、家族を失った人や怪我をした人々に慰労の言葉を送ります。相次ぐ災害の衝撃は大きいと思いますが、自然災害に徹底的に備えてきた日本の底力が発揮されると信じています〉とツイートした。
しかし、安倍首相はそれから4日が過ぎた10日17時現在でも、このツイートに返信しないばかりか、Twitter上で韓国政府を代表してお見舞いの言葉があったことに言及をしていない。これは安倍首相が文大統領のツイートだけに気がついていないということではないだろう。実際、6日には河野太郎外相が訪問先のドイツで、文大統領からメッセージを受けとったことを記者団に明らかにしおり、安倍首相がそれを知らないはずがない。
ようするに、安倍首相はオーストラリアや台湾の首脳からのツイートには丁寧に二カ国語で返信しているのに、韓国にだけはシカトしているというわけだ。相次ぐ大災害に気をかけ、日本政府と日本で生活する人々を応援する言葉を贈った隣国の首脳を、意図的に無視する──。この信じがたい状況を受けて、Twitter上では、多くの一般のユーザーが文大統領に対して、こんなツイートをしている。
〈暖かいお言葉をありがとうございます。日本の首相が無礼で恥ずかしいです。韓国と日本の友好を願います〉
〈安倍さんがお返事しなくてすみません。北海道、大阪をねぎらってくださってありがとうございます〉
〈文在寅大統領、ありがとうございます。お見舞いをくださった方にお礼をすることもできない、人として心がないものが首相になるこの国を私は本当に恥ずかしく思います〉
ほかにも、安倍首相の失礼な振る舞いに対するお詫びと文大統領の心遣いに感謝するメッセージをハングルに翻訳して文大統領に送るユーザーも少なくない。いずれにせよ、安倍首相の振る舞いは、国際感覚の欠如とか外交力のなさとか以前の問題だ。はもはや、人間として最低限の誠実さすらないのだろうか。