寄付を冷笑し、「若い女はおバカでいろ」という日本の保守
このようにデビュー当時から「貧しい子どもの役に立ちたい」という強い意志を抱いてきたローラが、ユニセフに寄付することは、まさにその思いの実践のひとつだろう。しかも、ここ数年、独立トラブルに見舞われ決して順風満帆とは言い難い環境にあったと思うが、そうしたなかでも自分のことだけでなく「貧しい子どもたちの役に立ちたい」という思いを忘れずに貫いていることは、賞賛されこそすれ、「セレブ気取り」だの「迷走」だの、苦言を呈されたりバカにされたりするようなことではまったくない。
さらに言えば、ローラがこの間、行動を起こしてきたのは、貧困問題だけにとどまらない。災害時に被災地に炊き出しボランティアに行ったり、日本ではまだ意識の低いプラスチックゴミ問題についても早くから声をあげたりしている。ローラが、社会問題に広くアンテナを張り勉強していることは明らかだ。
日本では寄付やボランティア行為を冷笑する声もいまだ少なくないし、それ以上に、そうした行為を公にしないことを美徳とし、公表すると「売名行為」「セレブ気取り」などと非難されがちだ。しかし、発信力のある著名人が寄付や慈善活動を公言することは、社会問題を広く社会に周知したり行動を喚起するのに大きな力となる。だからこそローラは、日本である程度ネガティブな反応が出ることもおそらくは承知の上で、それでもあえて発信しているのだろう。
実際ローラは、件のインスタ投稿でこうも綴っていた。
〈リスクがあっても嘘のない、人にとっても地球にとっても幸せが続くことに精一杯力を注いで頑張っていきたいです〉
ローラの真っ当な意志と行動に比べて、「若くてかわいい女子」はおバカで社会問題に関心をもったり行動を起こしたりするなという、夕刊フジの保守親父的ミソジニー丸出し記事の下劣さが一層際立つ。
ネット上の反応を見ていると、今回は幸いなことに、夕刊フジの記事に焚きつけられてローラを非難する人よりも、ローラにイチャモンをつける夕刊フジのほうを批判する声のほうが大きい。これを機会に「貧しい子どもの役に立ちたい」「頭の中が子供達や動物の幸せと地球をまもることでいっぱい」というローラの強い思いが、広く社会に共有されて欲しい。
(編集部)
最終更新:2018.09.11 02:10