菅官房長官の交代を主張する清和会に対抗するために、NHKを利用?
さらに、すごいのは、結論だ。コラムはこんな一節で締められている。
〈菅氏は自らの今後について多くを語らないため、永田町では『ポスト安倍』『幹事長狙い』などの風聞が流れる。しかし、安倍氏と菅氏の信頼関係は、第1次安倍政権が終わった後、ともにどん底から這い上がる過程で、より強固なものになり今に至っている。菅氏は、自らが再起を促した安倍氏を支えるため、幹事長よりも総理大臣との一体感が強い官房長官として最後まで支えるはずだ。安倍政権が続く限り、官房長官続投とみた。〉
まるで、菅の官房長官続投を安倍首相にアピールするような締めになっているのだ。いや、実際に永田町ではではこのNHKの『政治マガジン』の記事について、「菅さんが猟官運動のためにNHKに書かせたものではないか」という見方が広がっている。
「安倍三選の予想が強まるなか、自民党総裁選の後に控える人事をめぐって、安倍首相を擁する派閥『清和会』は菅官房長官のすげ替えを要求しています。菅氏は幹事長ポストの用意があれば横滑りをする構えですが、幹事長ポストを安倍首相がやすやすと認めるとは思えない。情勢の悪化を懸念した菅氏は、官房長官留任の流れをつくろうとNHKを使ったんじゃないでしょうか」(全国紙政治部記者)
実際、先日は西日本豪雨のなか、菅氏が無派閥議員を連れて首相公邸に極秘裏に入るシーンが報じられた。これは、菅氏が官房長官ポストをもらい受けるために自分の影響力が強い無派閥グループを安倍首相に差し出したものといわれる。そうした動きと連動するかたちで、NHKのこの記事は配信されたのではないか、というのだ。前出の政治部記者があきれ顔で続ける。
「NHKの記事は、明らかに菅氏の猟官運動と連動したものでしょう。しかし、ここまで露骨な提灯記事を書くというのは、幾ら何でも露骨すぎると、悪評紛々です」
政権批判を一切やらなくなったテレビ朝日の『報道ステーション』もそうだが、安倍三選確実の情勢を受けてマスコミは再び、一斉に安倍政権に恭順の意を示しはじめたということらしい。
(編集部)
最終更新:2018.07.31 10:59