和田政宗は、朝日のプッシュ型支援検証記事を「政権攻撃」と批判封じ
西村官房副長官といえば、第二次安倍政権の発足とともに内閣府副大臣に任命されて防災対策を担当し、2014年には『命を守る防災・危機管理』(プレジデント社)なる著書を上梓。その本の帯では、安倍首相が「数々の災害に、彼が最前線で指揮を執ってくれた」と推薦文を寄せているほどだ。そのような安倍政権の“災害対応のエキスパート”を気取ってきた総理側近が、政権の保身のために被害をなかったことにしようするとは、はっきり言って即刻辞職レベルの暴言だ。
しかも、耳を疑うような言い訳はこの人からも飛び出した。やはり豪雨被害が出ているなかで「赤坂自民亭」に参加していた、小野寺五典防衛相だ。言わずもがな、防衛大臣は自衛隊派遣の要請を受け指示をおこなう立場にあるが、9日の会見で小野寺防衛相はこのように開き直った。
「防衛省からは随時連絡が来ておりましたし、その都度、指示を出していたので、とくに支障はないと思います」
この国の防衛相は、酒を飲みながら自衛隊に対して指示を出していた、と堂々と発言したのだ。これは危険に晒されている国民と救助に向かう自衛隊員たちを同時に馬鹿にしているとしか思えない。
しかし、ネトウヨはこのような安倍政権が連発している「国賊」発言をまったく批判しない。いや、それどころか、自民党を代表するネトウヨのひとりである和田政宗議員は、世間からの批判をかわそうと、矛先を報道に向けはじめたのだ。
和田議員がもち出したのは、今朝の朝日新聞。それは「国のプッシュ型支援、被災直後は歓迎でも ミスマッチも」と題されたもので、安倍首相が力を入れている「プッシュ型支援」の問題点を指摘した記事だ。
「プッシュ型支援」は、〈国が被災府県からの具体的な要請を待たないで、避難所避難者への支援を中心に必要不可欠と見込まれる物資を調達し、被災地に物資を緊急輸送〉(内閣府HPより)するものだが、記事では〈プッシュ型は被災直後の混乱期を乗り切るための措置〉であり、〈過剰に届いたりミスマッチが生じたりし、早い段階で被災地の求めに応じて物資を届ける「プル型支援」に切り替える必要がある〉と指摘。実際、愛媛県大洲市では、プッシュ型支援で届けられた仮設トイレが「管理方法が決まらず使っていない」状態にあるという。