官邸が会計検査院の調査結果公表を選挙後に延期させた疑惑も
この会計検査院介入問題については、ほかにも気になる点がある。会計検査院への介入が、きのう小池議員に指摘された「金額を消す」という点だけだったのか、という問題だ。
というのも、会計検査院が検査結果を国会に報告したのは、昨年11月22日のこと。検査の途中経過が漏れ伝わってきたのも、10月末。10月22日の総選挙の後のことなのだ。検査が要請されたのは3月6日のことで、実に8カ月以上かかっており、遅すぎるのではないかと指摘されていたが、これもやはり「政権のダメージ」を考えて、検査結果の公表を選挙後にするよう、官邸から介入がなされた結果なのではないか。
財務省と国交省によるこの密談がおこなわれたのは、9月7日。「モリカケ隠し解散」を「国難突破解散」と嘯く解散会見をしたのは9月25日で、メディアが解散を一斉に報じたのは9月17日のことだ。
不十分だったとはいえ、会計検査院の検査結果は、「値引きの根拠は確認できない」と8億円もの値引きに疑義を呈するもので、これが選挙前に明らかにされていたら、選挙にも大きな影響があっただろう。
内閣から独立した機関であるはずの会計検査院の検査にも介入し、検察も政権に忖度した動きしかしていない。
きのうの集中審議では、無所属の江田憲司衆院議員が安倍首相に対し、「証拠はもう十分出揃っているが、自白だけがない状態」「安倍首相は詰んでいる」と詰め寄っていたが、どれだけ証拠が揃っても、あらゆる機関が安倍首相に忖度して、嘘に嘘を重ねて安倍首相をかばう、ということが繰り返されている。この自浄能力のなさは、日大どころの話じゃないと思うのだが……。
(編集部)
最終更新:2018.05.29 07:50