小池知事は「都民ファースト」を掲げて都知事選や都議選で圧勝したが、その言葉通り、都民の安全を第一に考えているのなら、オスプレイは絶対に止める必要がある。そして、そのためには、日米地位協定改定を安倍政権に求めるべきなのだ。
「国際報道番組『ワールドビジネスサテライト』の元キャスターの経歴が泣く。イタリアやドイツの地位協定改正を知らないほど海外事情に疎いのか」という疑問も沸いてきた。先の沖縄の記者はこう続けた。
「ドイツは1959年に北大西洋条約機構(NATO)と結んだ協定をその後に改定し、低空飛行禁止を定める国内の航空法が米軍機にも適用できるようにした。イタリアでも1988年に低空飛行訓練中の米軍機がロープーウェイのケーブルを切断、ゴンドラが墜落して乗客20名が死亡する事故を機にアルプス地方の最低飛行高度を150mから600mに引き上げた。習慣になっている昼寝の時間には、米軍機の飛行が許されないことにもなった。
また米軍は通常、墜落の危険性や騒音などによる住民への悪影響を考慮、基地周辺の土地利用を禁止する『クリアゾーン』を設けている。ドイツやイタリアの米軍航空基地にも適用されているが、沖縄の普天間基地ではクリアゾーンに約800世帯が暮らす実態がある。諸外国では自国の航空法を米軍にも適用する例が多いのに日本は『日米地位協定』という米国との約束事を何よりも重視、歴然とした差があるのです。先進国の首都上空を、自国の航空法が適用されない外国の軍用機が飛ぶのは国際常識からすると考えられないこと。他国と日本で決定的に違うのは安倍政権が今でも続く占領国状態を黙認していることなのです。
横田基地の上空はアメリカが管制権を持っています。日本の民間機は飛べないのです。西日本からの飛行機も千葉を経由して飛んでくる。石原慎太郎・元都知事は一時期、横田基地の管制の見直しを求めると言いましたが、途中から言わなくなりました。小池知事も都知事選で同じ主張をしたが、具体的行動を開始したという記事は読んだことはない。横田基地の管制を日本に渡して民間機が飛べるようにしたら、東京と大阪間の航空便が30分早くなるのですが」
「トランプ大統領の忠実な従属的助手(Trump's loyal sidekick)」とワシントンポストに酷評された安倍首相は「戦後レジーム脱却」を掲げたが、日本を未だに占領国扱いする不平等な日米地位協定を見直そうとしていない。そんな米国の言いなりの安倍首相に足並みをそろえているのが小池知事なのだ。
「都民ファースト」は看板倒れで「米国ファースト」の安倍首相に追随しているだけ。そう言われても仕方がないのだ。
(横田 一)
最終更新:2018.04.29 08:10