小池ゆりこオフィシャルサイトより
横田基地に今夏配備されることになった米空軍輸送機のオスプレイ。抗議行動もおこなわれるなか、しかし首長である小池百合子都知事はその賛否を未だ明確にしてはいない。
そんな小池百合子都知事が二階俊博幹事長や小泉純一郎元首相ら自民党重鎮と会食をした2日後の4月20日、都庁の記者会見に向かった。
2017年9月29日、希望の党合流で一部民主党議員に対する「排除」発言を引き出した筆者だが、以降、記者会見で手を上げても一度だけしか当てられず、この日も最初から手を上げ続けたが、指名されなかった。仕方がないので会見終了が宣言された瞬間、「二階幹事長に日米地位協定改定を求めなかったのか。オスプレイから都民を守るには不可欠ではないか」と声を張り上げた。
しかし小池知事は、一言も発しないまま会見場から立ち去った。この日の知事会見では、幹事社の共同通信も指名された複数の記者も誰もこの会合について質問しなかったので、「政権『人心一新の時』=小泉元首相、小池都知事ら会談」(4月19日の時事ドットコムニュース)などと報じられた会談内容は一切明らかになることはなかった。
2週間前の6日の都知事会見でも、小池氏は全く同じ対応をした。この日も指されなかった私は、「知事、日米地位協定についてどうお考えですか。オスプレイの危険な飛行は沖縄の現実からすると止まりませんよ」と会見終了直後に聞いたのだが、全くの無回答だった。
指名なしでも質問を繰り返したのは、事故頻発で「未亡人製造機」の異名がついたオスプレイの横田基地配備への都の対応が不十分と思ったからだ。小池知事は6日の会見で「国に対して十分な説明責任を果たすことと安全対策の徹底や環境への配慮などを要請している」「国に必要なことを申し入れる」と答えた。
しかし「国への要請・申し入れ」だけではオスプレイの危険飛行から都民を守れないのは、沖縄の現実に目を向ければ、すぐに分かることだ。沖縄の地元紙記者はこう話す。
「オスプレイはプロペラ機とヘリの機能を併せ持ちますが、危険なのはヘリモード。そこで『米軍基地周辺の市街地上空ではプロペラ機モード、基地内に入ってからヘリモードにする。ヘリモードでは市街地上空を飛ばないようにする』という約束を日米で交わしている。しかし実際は市街地上空をヘリモードで飛んでいるのを多数目撃されています。住民が抗議をしても政府は『確認していません。米国はやっていないと言っています』と約束違反を調べようともしない。『違反したら一定期間運行禁止にする』という実効性のある罰則規定を盛り込んだ『日米地位協定改定』にまで踏込まない限り、危険な飛行は止まりません」