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「国民の敵」罵倒の自衛隊三佐の弁明で明らかになった“クーデター”より恐ろしい事態! 自衛隊で進む“安倍私兵化”

罵倒問題の自衛隊三佐「国民の敵と言ってない」という弁明の明らかな矛盾

 どういうことか。まず、供述内容によると、幹部自衛官は国会議事堂近くをランニング中、偶然いた小西氏を追い抜く際に顔が見え本人と確信。交差点で赤信号を待っているときに目が合って、会釈した小西議員に対し「国のために働け」と大声で言ったという。

 小西議員は反論した。三佐の供述では、この小西発言が「国のために働いています。安倍政権は、国会で憲法を危険な方向に変えてしまおうとしているし、日本国民を戦争に行かせるわけにいかないし、戦死させるわけにもいかないから、そこを食い止めようと思って、私は頑張ってやっているんです」と極めて詳細に語られている。

 対する三佐は、「俺は自衛官だ」と名乗ったうえで、「あなたがやっていることは、日本の国益を損なうことじゃないか」「東大まで出て、こんな活動しかできないなんてばかなのか」などと発言したという。

 他方、小西議員が「週刊朝日」(21日オンライン版)で語るところによれば、三佐は「俺は自衛官なんだよ。おまえは国民の敵だ!」と言い放ったという。両者の証言は食い違っているが、そもそも自ら「自衛官だ」と言いながら国会議員を罵倒した時点でアウトであることに変わりはない。

 しかも、自衛官の供述はこの後、どんどん不自然になっていく。

 たとえば供述によれば、三佐は小西氏から「あなたは現役の自衛官なのか。現役の自衛官が、そんな発言をするのは法令に反する」と言われたというが、これに対する三佐自身の発言はかなり曖昧にされているのだ。

〈はっきりとは覚えていませんが「私の発言は、自衛官の政治的行動に当たりません」というようなことを言ったと思います〉(三佐の供述)

 それだけではない。三佐が小西議員から名前と所属を聞かれたやりとりの供述にも、いかにも歯切れの悪い留保がついていた。

〈その後、小西議員は「撤回しなさい。現職の自衛官がそんなことを言うのは問題だ。防衛省の人事局に今から通報する」といって携帯電話を出しました。このやりとりの際に、はっきりとは覚えていませんが、「何が悪いんでしょうか?」と類似するような言葉を使ったかもしれません〉(三佐の供述)

 つまりこの幹部自衛官は、食ってかかった相手が発したセリフははっきりと諳んじてみせるのに、自分の発言は「はっきりとは覚えていない」というわけである。

 なんとも不自然だが、他方の小西議員によると、このとき「お前は国民の敵だ」という発言の撤回を求めたが三佐が撤回を拒否したため、防衛省の豊田硬事務次官に電話し、「自衛隊員を名乗る者から国民の敵などと暴言を受けている」と伝えた。その内容は、豊田事務次官も認めているという。

 また、この後、折り返しで同省の武田博史人事教育局長とも通話しており、武田局長は小西氏から「国民の敵」と言われたとの内容をメモしているとされる。すなわち、少なくとも小西氏は、三佐のそばで防衛省幹部に「『国民の敵』との暴言を受けた」というふうに電話していたのは間違いない。

 ところが、である。やっぱり三佐の供述では、この場面がかなりうやむやなのだ。

〈小西議員は、電話先で「私は参議院の小西ですが、今、現職の自衛官と名乗る男性から私のことを罵倒したり、冒涜するような発言をしている者がいます。これは大問題ですから…」と通話しており、この後の語尾の方は、明確には聞こえませんでした。〉(三佐の供述)

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