官僚に“PMメモ”で嘘答弁を強要、子飼い議員にはマッチポンプ質疑を指示
そして、この「PMメモ」の実態を官僚から掴んでいたノンフィクション作家の森功氏も、このように述べている。
「官邸は疑惑を全否定した佐川長官の答弁を完璧だったと評価しているから、他の官僚が気に食わない答弁をすると、“佐川を見習え”という警告を込めてPMメモを出している」
いや、安倍首相は官僚の答弁だけに関与しているわけではない。9日の記事でもお伝えしたが、9日の参院決算委員会で太田充理財局長を「バカか、本当に!」と罵った自民党の西田昌司議員は、昨年4月18日付の朝日新聞の記事において、安倍首相がわざわざ電話をかけてきて、森友問題の“8億円値引きの正当性”を説明できるような質問をするようにと指示を受けていたことを証言している。そして、実際にその数日後、西田議員がその通りに質疑をおこなうと、その日の国会答弁で安倍首相は「西田さんとのやり取り聞いていなかったんですか?」などと西田議員の主張に丸乗りし、「ディスカウントするのは言わば当然」とまで言い切った。
「真相究明に全力を挙げる」と言いつつ、やっていることといえば、自分の疑惑を覆い隠すための自作自演工作──。佐川氏は虚偽でもとにかく強く否定し、偽りのストーリーを主張してきたが、このように官僚に嘘まで強要し「佐川を見習え」と安倍首相本人が“恫喝圧力”をかけつづけ、身内の議員にはマッチポンプの質疑をおこなわせてきた安倍首相。その結果、普通ならとっくに森友・加計問題によって首が飛んでいるはずの安倍首相は、いまものうのうと総理の椅子に居座っているのである。
いくら真実が出てきても、こうやっていくらでも疑惑は潰せる。安倍首相はそう踏んでいるのかもしれない。しかし、防衛省の日報問題しかり、安倍政権の欺瞞がどんどんとあきらかになるいま、もうそんな方法では国民の目はごまかせない。裸の王様としてとことん醜態を晒し、自爆する日が早晩くるかもしれない。
(編集部)
最終更新:2018.04.12 07:52