赤旗日曜版の取材に環境省審議官が“吉野復興相秘書からの指示”を認めた
赤旗日曜版は、複数当事者への取材と証言から、その疑惑の詳細をこのように暴いている。
まず、高橋秘書官から指示を受けた環境省審議官が、同省の担当参事官に伝達。参事官は赤旗の取材に対し、「高橋秘書官からの要請だといわれ、五洋(建設)の旧知の役員に連絡した。『双葉のA氏』について下請けに入れているかなどを聞いた」と回答している。高橋秘書官が「五洋建設」「双葉のA氏」という具体的な名前を出したことは、審議官も参事官も認めているのだ(高橋秘書官は否定)。
どう見ても、吉野氏側が官僚を使って、自分の支援者に便宜を図るよう“圧力”をかけたという構図だ。そもそも、環境省は発注者であり、その大きな権限をもつ発注者が直々に受注者へ対して「双葉のA氏を下請けに入れているか」と具体的に聞けば、それは「双葉のA氏を下請けに使え」という圧力になるのは当たり前の話だ。
一方、「双葉のA氏」は「記憶にない」と答えているというが、実際には、審議官が虚偽の説明をする理由がないので、吉野復興相側が要望を受けて“口利き”を行った可能性は濃厚だろう。
そもそも、吉野復興相といえば、「まだ東北で良かった」発言で辞任した今村雅弘前復興相の後任で、安倍首相の出身派閥である「清和会」所属。福島県を選挙区とするが、過去の言動を見てみると、東京電力などの“原子力ムラ”の代弁者としか思えない発言を繰り返している。
たとえば2012年の衆院選では、縁もゆかりもない中国比例区から出馬し当選したが、その翌年2月の中国新聞のインタビューでは「私は原発が大好きな人間だった」と告白している。実際、原発事故が起こってわずか約1カ月半の2011年4月29日、吉野氏は衆院予算委員会で“原発事故の責任を東電に負わせるな”という旨の発言をしていた。
「原賠法の一番最後、天変地異、こういう莫大な災害が起きた場合に、もう東電の責任云々かんぬんを無視して全部国が見る、こういう規定になっているんです。連帯責任を認めたならば、一義的に東電、何でもかんでも東電、窓口にしろ、そうじゃなくて、国が窓口になってください」