2018年3月20日放送『バイキング』(フジテレビ)
公文書改ざんというとんでもない問題に対し、ワイドショーも、ようやく安倍政権に対する批判を強め始めている。
今月20日放送『バイキング』(フジテレビ)もそうだった。『バイキング』はもともとは安倍政権擁護色の強い番組として知られてきたが、この日の放送では、麻生太郎財務大臣や政権を守るために「エクストリーム擁護」を繰り返す自民党議員に対する批判の声がほとんどだった。
たとえば、麻生財務相による「“佐川”呼び捨て問題」について義家弘介・元文科副大臣による「11年間やってきて『義家』と呼び捨てにしていただけませんから。私は呼び捨てにしていただけるくらい信頼されたいと思ってますよ!」なる恥ずかしすぎるゴマスリ発言に対しては、甲斐よしひろが「ヤンキー母校へ帰れって感じですね」と鋭いツッコミ。また、和田政宗議員が財務省の太田充理財局長に対して「まさかとは思いますけども、太田理財局長は民主党政権時代の野田総理の秘書官も務めておりまして、増税派だから、アベノミクスをつぶすために、安倍政権を貶めるために、意図的に変な答弁をしているんじゃないですか?」と質問した問題では、坂上忍が「あまりにも見苦しい」と、一刀両断した。
しかし、そんななか、あの隠れネトウヨ芸人、小籔一豊だけはあいかわらずだった。しばらく仏頂面で他の出演者の和田批判を聞いていた小籔だったが、坂上から話を振られるとボソボソと、こんなことを語り出したのだ。
「あんなたくさんの人が見ているところでというか、その後テレビでも流れるようなところで言いがかりをつけられると、それは、いち公務員の方はあそこまで否定したくなるでしょうね。ただ、あの和田さんがああいうふうな質問をしたときは、『なんや、あんな質問して!なんや!』って言ってるじゃないですか。麻生さんに変な質問したときは、みんななんも思わないというか。権力はディスってええというか、反自民の人の見方というか、僕は、あれぐらいのわけのわからん意地悪な、無駄な質問というのは他のところでもあるんじゃないかなと思います」
ようするに、小籔は「太田さんに対する変な質問にはみんな怒る癖に、どうして麻生さんに対する意地悪な質問は許されるのか」と反論したのだ。
あの尊大な答弁を繰り返している麻生財務相を擁護して、質問する側を「意地悪」扱いするとは、どこまで安倍政権が大好きなんだという感じだが、もっとうんざりさせられたのは、小籔が「政権ばかりが批判されるのはおかしい」「野党のことも批判しろ」的な“どっちもどっち”論をもちだしてきたことだ。