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朝鮮総連銃撃事件とヘイトデモ、在特会の関係! 止まらない在日朝鮮人攻撃、NHKもテロより総連を批判

テロを後押しした三浦瑠麗、長尾敬、青山繁晴らの在日朝鮮人攻撃デマ

 さらに、もうひとつ問題なのは、今回のテロが、保守メディアや右派論客、安倍首相周辺の政治家らの言説と密接に関わっているということだ。連中はこの間、朝鮮総連が北朝鮮本国の意を受けてテロを準備しているかのようなデマを垂れ流し、在日朝鮮人への憎悪を扇動してきた。

 その筆頭が、国際政治学者・三浦瑠麗氏の「日本にはテロ目的の北朝鮮のスリーパーセルが潜伏している」「とくに大阪がヤバイ」「阪神大震災で北朝鮮の工作員の迫撃砲が見つかった」発言だ。

 三浦氏の発言がいかに根拠がないシロモノであるかは過去記事を一読いただきたいが(既報続報)、三浦氏はその発言のフェイクを指摘されると、〈大阪府の朝鮮総連傘下の商工会の人間〉が1980年の拉致事件に関わっていたことを挙げ、〈その当時大阪にテロ組織があったことはわかります〉と抗弁した。

 40年近く前の事件で大阪の朝鮮総連関係者が拉致事件に関わっていたことをもちだして、あたかも朝鮮総連じたいがテロ組織であるかのような印象操作をおこなったのだ。

 三浦氏だけではない。2016年、自民党のデマ拡散屋である長尾敬議員は自民党の会合の場において公安調査庁が朝鮮総連の人数を「おおむね7万人」と明らかにしたことを受け、「会合では、公安調査庁から初めて、『朝鮮総連には工作員などが(日本国内に)約7万人いる』という報告があった」と発言(「zakzak」16年2月22日付)。それによってネット上では「北朝鮮の工作員は7万人もいる!」などというデマが広がっていった。

 また、“ネトウヨのグル”青山繁晴議員も、なんの根拠も示さないまま「北朝鮮の工作員は2万人いる」「コアで武装してるのは400~500人です」などといったデマをテレビやネット番組で繰り返し拡散しつづけている。

 いまさら説明するのもばかばかしいが、これらはすべて現実とかけ離れた、ただの妄想だ。たしかに朝鮮総連が金日成、金正日、金正恩と三代に渡る独裁政権を支持し、北朝鮮の政府機関の一部という役割になってきたのは事実で、2000年代初めまでは、学習組(がくしゅうそ)という対日思想工作の組織も有し、北朝鮮の工作活動に在日朝鮮人が協力したケースもある。

 だが、総連が担っていたのはおもに思想工作や協力者の獲得、資金援助であり、対日テロの実行ではない。また、北朝鮮本国の意向を受けて動いていたのはごく一部の幹部であり、ほとんどの在日朝鮮人は、総連の政治性に疑問を抱きながらも、在日コミュニティを維持し、日本社会の苛烈な朝鮮人差別から自分の身を守るために、総連に加入してきたのである。

 しかも、総連はいまや、かつてと比較にならないくらい弱体化している。加入者は激減し、高齢化が進み、総連に忠誠を誓っているような人はほとんどが70代以上。どうみても、テロを実行できる組織ではないのである。いったいどこから数字をひっぱってきたら「7万人の工作員」「2万人の工作員」という話になるのか。

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