三原じゅん子、小泉進次郎のデマ拡散、交付金による懐柔工作
たとえば、三原議員と小泉議員は、そろって名護市がゴミを16分別している件を槍玉に挙げ、小泉議員は「私の地元の横須賀市は4分別。16分別では大変」「こういう暮らしや毎日の生活、子供たちの未来のために何をやるかという政策論争が一番大事なんです」などと訴えた。さらに三原議員も、このゴミ16分別を俎上に載せた上、市指定のゴミ袋の値段が髙いなどと言い出した。
ゴミ分別による資源の循環利用を推進することは国の政策でもあり、自治体の取り組みは評価されこそ非難されるようなものではない。事実、名護市は環境省調査でもゴミのリサイクル率は県内1位という数字を誇る。しかも、じつはゴミの16分別も、ゴミ袋代を決めたのも、稲嶺市長ではなく自民・公明が推薦した島袋吉和元市長時代のこと。当時、市議会議員だった渡具知氏も賛成に回っているのだ。
だが、選挙戦ではこのほかにも多数のデマが一方的に喧伝され、稲嶺氏を誹謗中傷するビラも撒かれつづけた。また、ネット上では安倍応援団の櫻井よしこ氏が2014年に流した“名護市は選挙前に有権者が約2000人、不自然に増えている”“本土から基地反対勢力が住民票を移してきた結果だ”というデマを、この市長選でもネトウヨたちが拡散。しかも、自民党参議院議員・山田宏氏は、ツイッター上で稲嶺市長について〈翁長知事の「オール沖縄」という名の親中反米反日勢力と共にある現職〉などと投稿した。
その上、安倍政権は、もっとも汚い手をこの選挙戦で展開した。告示を目前に控えた1月19日、政府は渡具知氏が当選すれば、稲嶺市長就任後の2010年から名護市で支給が止まっている再編交付金の交付対象とする方針を打ち出したのだ。実際、当選から一夜明けた本日、政府は交付する方向で検討に入ったという。
札束で頬を叩き、自治体に言うことを聞かせようとする──。菅官房長官や二階幹事長もこの選挙戦で公共事業推進をちらつかせて票集めに動いていた。「辺野古移設」の争点隠しを指示する一方で、移設を前提に交付金とは、あまりに卑劣なやり口ではないか。
辺野古移設の話題には口を閉ざしながら交付金をアメにし、ネット上では自民の国会議員が「翁長は親中」というネトウヨジャーナリストが流してきたデマを流し、「基地反対派は反日だ!」とがなり立てる。──このような醜い選挙戦を展開して、辺野古移設を争点にもしなかったのに安倍首相は「移設は民意」などとほざいているのである。