市長選で辺野古移設が容認されたわけではない! いまも66%が反対
しかし、渡具知氏および自民党が「辺野古移設」を争点にしなかった以上、この市長選の結果を「移設は民意」と捉えることはできない。
現に、1月30日に公表された琉球新報社・沖縄タイムス社・共同通信社の3社合同でおこなわれた名護市の世論調査では、普天間基地の辺野古移設について「反対」「どちらかといえば反対」と回答したのは66%、「賛成」「どちらかといえば賛成」は28.3%にとどまり、さらに名護市長選結果に関係なく辺野古移設を進める考えの政府姿勢を支持するかについては「支持しない」「どちらかといえば支持しない」が67.2%となっている。過半数以上の市民が辺野古移設に反対の立場であり、「市民の理解」など得られてはいないのが現実だ。
安倍首相は先の衆院選でも、憲法改正について街頭演説では一言も話題にすることなく、選挙が終わるや否や「自民党としての案を国会の憲法審査会に提案していきたい」と表明。今年はじめの年頭記者会見でも「憲法改正に向けた国民的な議論をいっそう深めていく。自民党総裁として、そのような1年にしたい」などと言い出した。選挙で有権者に対し街頭で憲法改正を一切語らないという「争点隠し」をおこなったというのに、なぜか改憲議論が国民の負託を受けたことになっているのだ。
争点を隠しておきながら選挙後に「民意が得られた」と言うやり方は、安倍政権にとって選挙必勝法になっているのだろう。11月には沖縄県知事選がおこなわれる予定だが、こんな卑怯な手段を許すわけにはいかない。
(編集部)
最終更新:2018.02.05 07:54