佐川前理財局長、中村格前刑事部長ら安倍首相を守るために不正をはたらいた官僚たちが出世
歴然とした証拠が出てきても「確認を控える」と言う。ようするに「確認する気はない」ということだ。虚偽答弁とこうした態度を取りつづけてきたために、いまなお一向に真相究明に辿り着けないでいるのである。
しかし、佐川前理財局長にとって森友問題とは、「大きな力」「神風が吹いた」ことによって是認せざるを得ない案件だったということだ。内閣人事局が人事を握るという官邸主導が進むなかで、出世のためには官邸を忖度しなければならないし、官邸にとって都合の悪い答弁はできない。やはりここでも、行政はゆがめられているのだ。──出世と昇進にしか興味がなく、上の命令にただ従い巨悪に手を貸したアイヒマンをアーレントは「悪の陳腐さ」と表現したが、佐川前理財局長にも同じことが言えるのではないか。
そして、重要なのは、佐川前理財局長のように平気で虚偽答弁をおこなった人物は栄転できるという「見せしめ」を安倍首相が実践していることだ。これは、ノンキャリアの谷査恵子氏が8月に在イタリア日本大使館の1等書記官へと異例の人事がおこなわれたことや、山口敬之氏のレイプ疑惑で逮捕状をもみ消した中村格・警視庁刑事部長が、警察庁組織犯罪対策部長からさらに今年8月に総括審議官へと昇進したこと、7月に自衛隊PKO日報問題で引責辞任したばかりの黒江哲郎・前防衛省事務次官を10月に政府が国家安全保参与へと抜擢したことと同じ問題だ。
国民から吹き出る疑問の声に対して「真摯」に向き合わず、嘘をついたりダンマリを決め込んだ者は昇進する。わたしたちはいままさに、安倍首相の「政治の私物化」を目撃しているのである。
JNNの最新世論調査では、森友問題の国会における政府の説明に「納得できない」と答えた人が81%にもおよんだ。この声さえも安倍首相は無視して再調査に応じていない、その事実もまた国民は忘れてはいけない。
(編集部)
最終更新:2017.12.06 08:03