詩織さん事件捜査もみ消しを検証する超党派の議連が
ようするに、安倍政権と自民党は総がかりで、この事件がとりあげられること自体を妨害し、疑惑そのものがなかったことにしようとしているのだ。まさに、森友問題や加計問題の初期の対応とそっくりだが、しかし、国会での追及はこれで終わるわけではないだろう。
実は、事件のもみ消し問題については、超党派で「『準強姦事件逮捕状執行停止問題』を検証する会」(呼び掛け人は阿部知子氏、森ゆうこ氏、福島みずほ氏ら8議員)という議連が発足し、すでに2回の会合が開かれているのだ。
そこでは事件の検証とともに、警察庁、法務省、最高裁からヒアリングも行われ、主に捜査を潰した当時の中村刑事部長について追及されている。たとえば、山口氏と同じTBS出身の民進党・杉尾秀哉参院議員が自身の取材経験からして「逮捕状があるのに、現場でそれが取りやめになったなんてあり得ない」「山口じゃなかったら所轄の事件でしょ」と警視庁捜査一課の理事官を追及、理事官は全く関係のない言い訳にならない答えでごまかそうとして、しどろもどろになり紛糾したシーンもあった。さらに、福島議員が「山口氏の逮捕を中村部長が執行停止した記録はあるのか?」との追及に、警察庁も記録が存在することを認めてもいる。
捜査当局という“当事者”も含めた相当に突っ込んだヒアリングが行われたが、そこから警察幹部の介入による逮捕直前の執行停止がいかに“異例な事態”だったかが、徐々に浮き彫りになっているのだ。
今後もこの問題を徹底追及することで、卑劣な性暴力、さらに最大の焦点である不可解な捜査ストップ、被疑者の不起訴に対する安倍首相や官邸の関与、その真相が明らかにされることを期待したい。
最終更新:2017.12.02 09:06